壁の言の葉

unlucky hero your key

芝居。

『寸止め海峡(仮題)』

おそらくは十年ぶりくらいだろう。 松本人志のコントライヴのビデオを観るのは。 当時お笑いとして破格の料金一万円で敢行した伝説のライヴ『寸止め海峡(仮題)』のVHSである。 例の松本のメイ言「神が人を作ったと偉ぶるなら、それがどうしたと言ってやる…

サイモン・ブルック監督作『ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古』渋谷イメージフォーラムにて 英国の演出家ピーター・ブルックによるワーク・ショップを追ったドキュメンタリー。 想像上の一本のロープを綱渡りする、というシンプルな演技を基点に、…

「ほんっと男の自意識って気持ち悪い」 そう女は言った。 女の自意識が気持ちのいいものなのかは、あたしゃ知らない。 仮に知っていたにしても、それを声高にのたまうこと自体が、たぶんキモイ。 んが、 その瞬間、 「はっ」 客席からは共感のような、あるい…

普段はなしのつぶてのくせに、 いざ自分の芝居のチケットを売らねばならないだんになって、買え買えと。 さばけなくて大変なんです、と。 誰から住所を聞いたのかも明かさずに、一方的に宣伝物を送りつけてきたり。 いや、かまわんのよ。べつに。 べつにね。…

『マシーン日記』感想。

四時台のJ-waveでジョニ・ミッチェルの「グッドバイ・ポークパイハット」が流れる。 怒れるベーシスト、チャーリー・ミンガスをトリビュートした傑作アルバム『ミンガス』からのヴァージョンで。 別名「テーマ・フォー・レスター・ヤング」ともいう。 未明に…

このブログに感想をアップした東京ギヤマン堂の芝居『トウガタツ』。 上演劇場シアターシャインの2012年演劇奨励賞を受賞とのこと。 http://theatershine.com/award.html まあ、そりゃそうだろう、と。 知ったかぶっておこうかと。 思いつつ、こういった賞で…

国沢☆実 作・演出 劇団玉の湯 第十二回公演『血だまりより愛をこめて』 新宿・サニーサイドシアターにて 混沌としていた。 と言えば聞こえはいい。 が、実のところ混乱していたといった方がいい。 もしくはパニクッていたと。 それは作・演出の国沢☆実が自ら…

結局、 勘三郎主演で構想されていた歌舞伎版『贋作・桜の森の満開の下』は、実現されなかった。 無い物ねだりはいけないが、 桜吹雪のなかで死に狂いに舞うあのクライマックスを、一度、勘三郎で観たかった。 野田秀樹のコメントの素朴さが、彼が言葉のマエ…

おそらくは、かぶく、とはこういう生き方なのだね。 確立した己の居場所に飽き足らず、 貪欲に面白さを求めて、 求めて、求めて、 早がわりで奈落を突っ走るように、駆けぬけてった感がある。 勘三郎。 合掌。 ☾☀闇生☆☽

なんかね、 淡く心地のよい嫉妬を覚えている。 トウガタツ。 まずい性分で、 あたしならああした、こうしたとつらつらするうちに、 あの登場人物はいまごろどしてんのかなと、ふと考えたりしている。 考えさせる力がある。 続編をつくろうと思えばいくらでも…

広瀬達也作・演出、 東京ギヤマン堂 第9回公演『トウガタツ』阿佐ヶ谷シアターシャインにて 11/25 千秋楽 「日本で二番目に高いトウガタツ」町のパズルのような、コントのような連作短編集。」(ポスターより) 観劇後の後味、すこぶる良し。 たとえばプロ野球…

東京ギヤマン堂『トウガタツ』。 その千秋楽を堪能したきた。 これはその観劇後に受付で配給されたオリジナル焼き菓子也。 ありた菓子。 あとえ、ありがたし。 食後の観劇は眠くなるだろうと、空腹のまま挑んだおっさんとして繰り返す。 そのきめ細やかさ、…

東京ギヤマン堂『トウガタツ』。 日曜に観に行こうと企んでいる。 今日、勤務が雨で中止だったので行ってしまおうかとも思った。 んが、 夜食のパスタにニンニクをふんだんに投入したことを思い出したのだ。 それはもう衝動的犯行だったと言っていい。 なに…

「日本で二番目に高いトウガタツ」町のパズルのような、コントのような連作短編集、とな。 今度はじめて東京ギヤマン堂の芝居を観に行く。 減収に喘ぐ日々、といっては大げさだが、シンプルになっていかざるを得ない我が日常で、たとえば野田や大人計画の芝…

で、 というつなぎ方もどうかと思うが、 夢の遊眠舎の『半神』を、ビデオで観なおした次第。 VHSである。 怒涛のラストにやられ、また泣く。 名作だと思う。 なんせ雨が降っているわけで。 予定されていた現場が中止になって、ひがな一日部屋にいたのだ。 昨…

追記。 野田地図『エッグ』感想。 と思ったが、先日のつぶやきで事足りてしまった感がある。 なんでも、エッグというスポーツがあって。 ルールや試合状況は観客には知らされず、 芝居は、その謎をたのしませる仕掛けになっている。 どうやらチーム対抗戦で…

来週、NODA MAPの『EGG』を観に行く予定。 またぞろかつての日本の戦争批判に帰結してるのではと危惧していたら、さもありなん。 やはり今回もそういうことになっているしい。 「憐れ。 老いたり」by三郎。 げんなり、なり。 ☾☀闇生、なり☆☽

芝居をやっている先輩ケービ員。 五分とか十分というわずかな休憩のたびに、こっそりと電柱のかげでセリフをさらっている。 さながらエア演劇状態だ。 そもそも演劇自体がエアなのだが。 左右にいるらしき役者を相手に、なにやらにぎやかそう。 ちかぢか、公…

先週、コクーンで芝居を観てきた。 松尾スズキ率いる大人計画の初期代表作『ふくすけ』を。 大竹しのぶや古田新太、多部未華子らを迎えての再演なのだが。 実をいうと闇生はいまだに感想を書きあぐねている。 たった一度の観劇でこのストーリーを把握するに…

野田秀樹の芝居に『赤鬼』というのがある。 とある島国のちっぽけな港町。 そこに、嵐によって遭難したのだろう、 異国からひとりの男が漂着する。 町の人々は海の向こうを知らず、 そこに世界があることすら知らない。 よって自分たち以外の人種の存在も、…

名曲『夏なんです』からしてそうなのだが、 細野さんの、 いわゆるトロピカル路線と呼ばれたあたりの名曲群。 その曲想の基点として、 暑さへのおおらかな肯定があると確信しているのね。あたしは。 心頭滅却すれば火もまた涼し、 という自己暗示でいこうぜ…

『表に出ろいっ!』感想。

NODA・MAP番外公演 野田秀樹作・演出 『表にでろいっ!』東京藝術劇場 小ホール1にて 出演は野田秀樹。 中村勘三郎。 そしてダブルキャストとして、 黒木華と太田緑ロランス。 あたしが観たのは黒木の回。 まず圧倒されるのはその高度なテンションである。 イ…

『ザ・キャラクター』ネタバレ感想。

野田秀樹作・演出 NODA・MAP第15回公演 『ザ・キャラクター』 東京芸術劇場 中ホールにて たとえばラブレター。 ……だなんてのは、どうすか。 そんな言葉は、もはや死語ですか。このケータイやら、ネットやらに覆い尽くされた世界観の真っ只中では。 ともかく…

見逃していたイッセー尾形の舞台を、いまさらになって追っている。 宅配レンタルでね。 かつてビデオ屋に勤めていた昭和の終わり、『やっぱり猫が好き』と合わせて毎晩のように観ていたものである。 『都市生活カタログ』シリーズとかね。 けれどある時から…

「その者、 青き衣をまといて…」 もうね、 そのあたりになるとですね、 我慢の限界って感じでえ…、 爆笑 してしまうのだそうだ。 言わずもがな、ナウシカのクライマックスのハナシである。 それを「ぷぷぷっ」と堪えつつ話す年下の同僚。 耳まで真っ赤にして…

松尾スズキ作・演出 劇団大人計画公演『さっちゃんの明日』WOWOW放映 まず、 演出を降板した『ドブの輝き』と、 まざまざとパワーダウンをさらした『まとまったお金の唄』。 これらを機会として、松尾スズキの芝居からは興味が薄れてしまっていた。 特…

朝日のような…。

エロ屋のほうでの勤務の休憩中に、ふとブックオフに立ち寄った。 いまの店舗の控え室は、売り場から完全には遮蔽されてはおらず、よって読書にしろ、仮眠にしろ、専念しにくい環境である。 つまりはドアがないと。 ついたてひとつで仕切られた客とスタッフと…

命名。

生まれて初めてケータイを買ったはいいが、購入時のメルアドを自前のそれに変更するのに半日もかけてやんの。 俺。 ノートになんじゃかんじゃと書きだしてさ。 どうすっぺ、どうすっぺと。 なにやってんだか。 昔からゲームキャラの名前入力には異様なほど苦…

ホンモノとニセモノ。

鴻上尚史の『孤独と不安のレッスン』を読み直した。 終えて今、ただちにまた読み返している。 最初に読んだときには、孤独と不安について自分なりに漠然と考えていたことを、鴻上に整理してもらう印象であった。 横柄に言ってしまえば「知ってるよぉ、んなこ…

すいません。 野田秀樹『パイパー』の感想で、 使用曲をラフマニノフの3番、 と書きましたが、2番の誤りでした。 映画『シャイン』や『のだめ〜』でもおなじみの、 2番。 元記事も訂正しました。 ☾☀闇生☆☽ おはずかし。