壁の言の葉

unlucky hero your key

落語。

アダム。

うまいのは好きです。なのでネタの出来によりますね。それを出すだけとか部位を連呼するだけとかは『ネタ』と呼べるのかなと。 https://t.co/k05KbiFK5y— Yamio (@Yamio42529836) December 27, 2023 つらいのはね、 下ネタで笑わないのはお堅い、もしくは真…

つめこみ。

立川談志は弟子たちに云った。 落語はリズムとメロディーで覚えろ、と。 物語の構造だの展開の分析、時代考証、または我流のオチをつくることより先にすることは、噺を音楽的に体におぼえこませること。 そういうことでとょう。 文楽の歌い方や、 あるいは圓…

迷宮と闇。

立川末広著『談志の迷宮 志ん朝の闇』夏目書房 読了 談志の迷宮 志ん朝の闇 つい一気に読んでしまった。 タイトル買いである。 立川とあるが、一門にそんな名前があったか記憶にないので、購入前に巻末をあらためた。家元の直弟子か、はたまた孫弟子か。著者…

『志の輔らくご』感想。

『志の輔らくご~PARCO劇場こけら落とし~』 「 こけら落とし噺 」「 メルシーひな祭り 」 ネタバレ注意。志の輔らくご 新しくなったパルコ劇場のこけら落としは当劇場のレギュラーといってもいい立川志の輔の公演。先週の金曜から始まって二月二十日まで続…

つもりを積む。

これは「無い、を有る」に変えるすべを会得している人たちにはかなわねえな、というお話である。 落語に『長屋の花見』という噺があって。 貧乏長屋の店子たちが、大家の誘いで上野の山に花見にいくというおなじみのお笑い。 酒も料理も大家が用意した。 い…

『破門』感想追記。

松垣透著『破門』リム出版新社 感想追記。 読み返すと悪口に終始してしまっている。 なので追記する。 おもしろかった点。 落語家新人賞のテレビ収録会場。 そこには『笑い屋』といわれるおばちゃんたちがいて。 これは、出場者の芸にリアクションをするお客…

『破門』感想。

松垣 透著『破門 ただ今、落語家修行中』リム出版新社 読了 立川談志の弟子たちを追ったドキュメント。 破門になって廃業したものもいれば、師匠をかえて出直すもの、ひきつづき破門を解いてもらって談志のもとに居続けるもの、ひと口に弟子といってもさまざ…

格とは。

案の定、夜勤が中止との連絡が入る。 雨音を聞きつつ『シャレのち曇り』を読了す。 つづけて立川流関連のとある本にとりかかったのだが。 びっくらこいた。 噺家本人の名義ではなく、プロの物書きによるものとのことで。 全体に立川流の前座たちへの取材でつ…

晴耕雨読。

雨ですな。 Rain On Deck | Sleep, Study or Focus With Calming Rainstorm Nature Video | White Noise 10 Hours いろいろあって現場の中止が続いている。 現在5連休っす。 それもあらかじめ5連休になるとわかった休日ではないからたちが悪い。 予定も立て…

『談志が死んだ』感想。

立川談四楼著『談志が死んだ』新潮社 夢中で読んだ。 一門の落語協会脱退騒動の発端となった古参弟子が、師匠を語る。 死後、その弟子たちによって様々な角度から語られた談志だが、この本のポイントは大雑把に言ってふたつ。 立川流旗揚げ前を知る弟子によ…

立川談四楼の『談志が死んだ』を読んでいる。 師弟だの友だちだの仲間だのというのは、大なり小なり他人の人生に影響し合う関係というわけであり。 となれば破門や絶交や喧嘩がつきものとも言えると。 すれば仲直りというものはそれら決別の賜物であると、気…

釈迦もキリストも、自身でつづった文章をのこさなかった。 ために巨大な多面体である彼らの姿は、複数の弟子たちから見た人物像を、それぞれに組み合わせて想像するほかない。 いや、 市井の平凡な人間においても、おそらくはそういう記憶の突き合わせの積み…

立川志らく著『立川流鎖国論』梧桐書院 読了 全体の構成として、ふとい一本の流れを感じさせることはできなかったようで。 彼が主宰する劇団の話は、そこまで頁を割くほどのことなのかとも思い。 といって、ファンが期待するような談志にまつわるエピソード…

立川キウイ著『万年前座』 感想。

立川キウイ著『万年前座 僕と師匠・談志の16年』新潮社 関東の落語の世界では、言わば身分制度といっていい格付けの倣いが厳格に設けられてあって。 下は『見習い』から始まって、 『前座』、 次いで『二つ目』、 そして『真打』と、出世するたびに名を変…

臭いの元を絶てっ。

「伝統を現代へ」 立川談志はそう言うのだ。 けれど、よく考えると伝統の「伝」に、すでに伝達の意味が込められてあるではないか。 いわずもがな一切は過去へは届かないわけであり。 未来にむけてしか運動しない。 これを読むあなただって、いまここでタイプ…

たとえば、 赤穂浪士の討ち入り。 四十七士の面々は、見事、主君の敵を討ってヒーローとなった。 唐突になんだとお思いでしょうが。 最初に言っとく。長いよ、今日のは。 敵討ちは武士にとっての正義だもんで。 んが、それは将軍さまのお膝元でのこと。 花の…

赤めだか。

立川談春著『赤めだか』扶桑社 一気に読んだ。 師弟関係というのは、やっぱ俺にとってツボなのだ。 たまらん。 ましてや、視点がやさしくて。 まだ駆け出しの弟子が仰ぎ見た、天才立川談志という。 だから、あたしのような凡人にも共感しやすいのである。 そ…