壁の言の葉

unlucky hero your key

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

コンプレックス

実はストーリーに興味をもてていないのではないか、と。 誰が? あたくしが。 常々そう思っていた。 犯人捜しとか、 殺害のトリックとか、 布石の回収だとか、 どんでんがえしという、通常は小説や映画のうまみとして持て囃されるあたりにさほど感じていない…

花輪和一『水精』

日本の中世に跋扈する精霊たちを描いた怪奇短編集。 水精作者:花輪和一ぶんか社Amazon 例によって怨念、執念、妄念といった人のあさましさにまつわる念が重層的に蠢いており。 それは作者の一筆一筆に至って、もうこれでもかってくらい綿密にねり込められて…

もはやこれまで。

現場から降りた。 それは後輩が職長をつとめる現場であり、あたしゃそのサポート役ではあったのだが、降りた。 まず職長が我慢の限界となって、降りた。 引き受けた仕事を途中で投げ出すなんてことは不本意なのではあるが、それを受けてあたしも降りたのだ。…

そぼ降る雨の夜勤。役所の立ち会い。 元請の保安資材の準備がテキトーだったので、叱責されておった。 確かに元請のテキトーぶりは前々から目に余るものだった。 そのシワ寄せはあたしらケービにどっとのしかかっているのだけれど。 当人たちがそれを深刻に…

あのね、自助論というのはね、 どうしようもなく救われたがる自分、つまり救われようとする自分というものが基点にあって。 助けてー、助けてー、と。 いやいやそうではなく自分を救えるのはつまるところ自分だけなのだからまず自分で立つ努力をしましょうよ…

なにをやってもうまいかぬ。 身から出た錆。 みすぼらしいものだ。 連休をのんだくれて済ます。

公衆トイレで雨宿り。 休憩所は喫煙者たちの天下也。 よって少数派のあたくしは這々の体で避難いたした次第。 夜勤はつづくのである。

公園 深夜

距離をおき時間がたてば、嫌だった奴もそう悪いやつでもなかったように思えてくる。 社会にいる以上は人並みにいろいろあったろうし、その都度傷つきもしただろうし。 何よりおたがい歳をくった。 これが大きい。 齢相応に人間が練られてきたはずであり。 な…

いやだいやだと言いながらだらだらといつまでも辞めない奴がいる。 だれも「辞めるな」なんて言っていないし、誰も引き止めていない。 なのに不平不満をこぼし、終始眉間に皺をよせ、首をかしげかしげ仲間の悪口を言いつづける。 誰も得していない。 むろん…