『眼には眼を』感想。

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『眼には眼を』
1957年 フランス
アンドレ・カイヤット監督
ヴァエ・カッチャ原作
DVDにて

中東、レバノン
急患の妻を診てくれ、とその男が訪ねてきたのはフランス人医師の自宅。
医師は激務を終え、やっとくつろいでいたところ。
自宅では急患に対応できる設備もないからと、医師は患者を診ることもせずに病院へ行くよう住所を教える。
男は苦しむ妻を自家用車に乗せ、どしゃ降りの雨のなか病院へと去った。

ところが翌日、この急患の手当てをした当直医によると女は死亡したという。
病院に向かう途中で車が故障し、男は妻を担いで何時間もかけて病院まで歩いてきていた。
そのうえで当直医が初診を見誤ったのだ。
腸炎とおもわれたのは破水による、死産。

「あなただったら正確な診断がくだせたはず。なぜ訪ねてきたときに診てやらなかったのです」

当直医がそう責める。
その日からこのフランス人医師に対して嫌がらせがはじまるのだった。
『眼には眼を』




スピルバーグ出世作『激突』を彷彿とさせるミステリアスな序盤。
やがて男の策におちていく医師は、死の彷徨の道連れとなる。
はたして、
共に死線をさまよううちに、
敵対関係に変化が生じて、
バディ・ムービーよろしく道中で和解していくという流れになるのか。
はたまた復讐は達成されるのか。


そもそも、
医師の落ち度は、この復讐に見合うものだったのだろうか。
実際に妻の手当てをした当直医に対しての恨みは、皆無なのか。
この当直医が責任転嫁した可能性がありはしまいか。
妻の死にうちひしがれる男のまえで、
「あの先生なら救えたはずなのに、どうして診察すら断ったのだろう」と。


車や煙草の扱いにみられる時代の違い、
文化、文明の違いも見られて興味深い一本でした。





闇生