『贋作・桜の森の満開の下』感想。

 NODA・MAP第22回公演『贋作・桜の森の満開の下
 坂口安吾作品集より
 野田秀樹作・演出
 東京芸術劇場プレイハウス。


 妻夫木聡 耳男
 深津絵里 夜長姫
 天海祐希 オオアマ
 古田新太 マナコ
 秋山菜津子 ハンニャ
 大倉孝二 青名人
 など。


 野田秀樹 ヒダの王


 豪華な顔ぶれでした。
 天海さん、美しい。
 それぞれがそれぞれの持ち味を役割として果たしていたと思ふ。


 んが、


 誰もいない桜の森のまっただなかで狂気にとりつかれていく男の孤独が、ビデオ化された再演版よりは薄かったよーな。
 一切は男の孤独と、それにつけ入る夜長姫という姿をとった古代ヒダ国の怨霊の関係性のなかで起きていたという後味が、ほしいなー。
 すくなくとも夜長姫と耳男の関係性を深く結んでおかなければ、ラストの台詞が活きない。
 それでもあのラストの力だけは大きく、泣かされたのだけれどね。
 出演者の平均年齢が高いのが今回版の特徴で、遊民社時代の良い意味での青さは当然ながら無い。


 観客は女性が大半。


 後日、再演版をチェック。
 やはりここで一旦完成しているのだな。
 毬谷友子の夜長姫が圧倒的で、幼女と少女とオンナと鬼女という具合に多面体としての女を怪演して、総合して母性の感触を抱かせるのはさすが。
 これが耳男という孤独で非力なモノツクリに、仕事の鬼への変化を強いていくという関係性が、ラストで親殺しよろしく逆転するというところにドラマがあるのではないのかと。
 スパルタママとその子供としてみると、面白い。


 追記。
 国の確立と個の確立の物語が重なっているのか。
 なるほど再演版では、舞台中央に据え置かれた桜の大木にあいた洞が、明らかに女性器を表わしていた。


 ☾☀闇生★☽