案の定、夜勤が中止との連絡が入る。
雨音を聞きつつ『シャレのち曇り』を読了す。
つづけて立川流関連のとある本にとりかかったのだが。
びっくらこいた。
噺家本人の名義ではなく、プロの物書きによるものとのことで。
全体に立川流の前座たちへの取材でつづられているのだが、これがよろしくないのよ。
文章がよろしくない。
カッコの発言者が誰なのかあいまいであったり、
センテンスとしての重複も目に余れば、
構成が不明瞭でダブっているところがあったり。
有体に言って、わかりにくい。
素人目に見ても、文章として不細工なのだ。
ぎくしゃくしている。
もっとすっきりできるだろうに、と不遜にもつい赤ペンをつけたくなる。
出来の悪い弟子たちにしぼってスポットをあてるその着眼点はいいさ。
あたしの好奇心に重なっているし、おちこぼれこそ落語の主役たりえるのだから。
なのでいっそゴーストライターでも使えよ。と思った。
んが、そもそものところプロなのだな。この著者は。
モノ書いて食ってるのだな。
ふりかえって談四楼の『シャレのち~』のなんと小気味の良いことかと、あらためた次第。
だもんで談春の『赤めだか』なんかは、レベルが高いのだ。
読みやすさも読みにくさも意識させなかったもの。
出版社がマイナーである。
やはりメジャーどこから出せるレベルではないのだと思った。
そもそも立川流一門を題材にしているにもかかわらず『立川』も『談志』も、タイトルはおろか副題にすら含まれていない。
ともすればそれは談志サイドからの制約なのか、と勘ぐってしまった。
帯に談志のコメントがあって、それでやっと関係本とわかるくらい。
落語家とひと口に言っても見習いから前座、二つ目、真打とあって、それとは別に人気の差というものがあるように。
物書きも出版社も明確な階級分けはないにしても、いろいろなのだなと。
追記。
単純に、第一稿をそのまま製本しましたっていうレベルだった。
読ませよう。という気迫は感じられなかったなあ……。
☾☀闇生★☽