追記。
野田地図『エッグ』感想。
と思ったが、先日のつぶやきで事足りてしまった感がある。
なんでも、エッグというスポーツがあって。
ルールや試合状況は観客には知らされず、
芝居は、その謎をたのしませる仕掛けになっている。
どうやらチーム対抗戦であるらしい。
たまごを割らずに上手に運ぶだの、穴をあけるだのするらしい。
その発祥が、鶏の卵からワクチンを作成する研究によるとのことで、
殻を割らずに黄身を吸い出す云々、かんぬんと。
そして彼らはそのプレイヤーであり、オリンピックを目指しているという設定。
けれど、その世界自体が、寺山修司の遺稿をもとにつづられているとかで、
原稿の空白を埋めんがために、舞台監督によるさまざまな推理と訂正が繰り返され、
時空を超え、役柄をかえて、
やがて物語は終戦間近の満州へと着地してゆく。
ま、
そんな感じだったかな。
観劇直後の全体の感想は、前日の記事を見てください。
あれで全部言ってると思う。
以下はおまけとして。
深津絵里、いいね。
椎名林檎作の曲を、人気歌手苺いちえとして歌う。
あれ、ちゃんと生で歌ってるよね。
舞台だからぶりぶりしたアイドルやってもオッケーオッケーだし。ハマってました。
で、シリアスにも瞬時に転換するし。
またあらたな面を見せてくれて、おもしろいわ。
脚がほそい。
相変わらず、声の変化がうまいなあと。
で、くりかえす。
脚がほそい。
一方、おなじみ野田御大の声のあそびは、あまりに意味が無い。
意味のないところを遊んでるのかな。
いいかげんつらくなってきた。
釣り笑いは、もういいよ。いらない。
仲村トオル。
舞台ははじめて観た。
チームをけん引するベテラン・スタープレイヤー。
だれもが「なんなんだその身体は」と驚く肉体美。
観客のおばさまたちったら、思わず「おおお」と。
いや、心の声が聞えました。
ごっついっす。
鍛えてるっす。
でね、
藤井隆。
この人と大倉孝二が笑いの部分を担当することが多いのだが。
藤井のって、あれでいいの?
みんなウケてたけど、ちょっと考えちゃった。今回ばかりは。
例の「ぶっ飛んだアドリヴかましちゃいました」に対して周囲の役者が「素で笑っちゃいました」的なパターンあるでしょ。
使い古された使い方だけど。
昔の野田の芝居なら、
……と、ヒジョーにおっさんくさいことをのたまうが、
かつてはこのアドリヴ的な突拍子もない言葉が、のちのち重要なキーワードになっていったりしたんだよなあ。
2001人芝居の、可もなく不可も無く母も泣く……とやったアレとか。
最初ウケてた言葉が不思議な感動につながったんだよね。
ああ、計算だったのかと。
藤井自身は求められたことを忠実にこなしているんだろうけれど。
そのマジメさがいまひとつ飛びきれてない感になっているような気がする。
役者としてもっと不良でいいんじゃないか。
ザ・キャラクターのときもそうだったけれど、藤井がなにかやったら笑うというお約束なのか?
藤井の登場の度に笑いたがってる空気を客席に感じた。
それはそれで財産だろうが。
じゃまっけだ。そんなのは。
ぶっこわしたれ。
となりのおばさま、後半寝てました。
☾☀闇生☆☽