壁の言の葉

unlucky hero your key

命名。

MOTHER1+2/nintendo

 
 生まれて初めてケータイを買ったはいいが、購入時のメルアドを自前のそれに変更するのに半日もかけてやんの。
 俺。
 ノートになんじゃかんじゃと書きだしてさ。
 どうすっぺ、どうすっぺと。
 なにやってんだか。
 昔からゲームキャラの名前入力には異様なほど苦悩する、そんなネコである。
 もとい、質である。


 その昔MOTHERというゲームがあった。
 いまもある。
 RPGの名作といっていいでしょう。
 あたしゃリアルタイム派ではなく、のちにゲームボーイに移植されたのを数年前に後追いでやっつけたのだが。
 このゲームはスタート前に登場人物の名前や、好物をあらかじめ入力しておくお約束があるのね。
 にもかかわらず、例によって苦心惨憺した挙句に入力しておいたその名前をすっかり忘れてしまっていたのだな。あたしは。


「ゴル」


 それはその頃書いていた小説の登場キャラの名前なのであった。
 まっ白いメス猫でさ。
 つんとすまして、気高くて。
 ところがゲーム内で出会った少女の名前とそれが、まったくの同じではないのさ。
 そりゃ自分で入力したのだもの。
 んが、それでも気づかないのがこの能天気野郎である。
 ま、そんな偶然て、あるよね。
 素敵だよね。
 そううそぶいて冒険を進めていたわけ。
 するとガリ勉タイプのキャラが仲間になるではないの。


「ミーファ」


 拙作の重要人物で機械いじりの得意な男と同名なのだ。
 ゴルはまだしも、ミーファまで。
 これではまったくのパクリ小説になってしまうではないかああああっ。
 …と、数日、本気で落ち込んだものである。


 無駄にばかりぼっとーして、集中すべきところでぼーっとしている。
 このぶんだとカメラを使ったり、それをブログにアップしたりなんていう一人前スキルを身につけるのに、どれほど費やすのか。
 使いこなす前に紛失してしまいそうな気配が、のっぴきならないぞ。
 やっちゃうんだろな。きっと。
 







 ☾☀闇生☆☽


 MOTHER。
 ラスボス戦前夜のイベントは、忘れません。
 ゴル…。
 やられましたよ。
 ええ。
 がっつりと、胸底をもっていかれましたっつの。


 あのころのゲームって、デフォルメにたよる分、こちらの想像力の介入ありきで成立っている。
 だから笑いも、感動も感情移入できたような気がするのだが。
 こんなハナシはゲーマー達にとって議論し尽くされたものでしょうけれど。
 とりわけ笑いのシーンは、画面がリアルになればなるほど、さぶいと思う。


 あ。
 ついでに書いておこう。
 時代がすすむにつれて、ゲーム機がプレイヤーに運動を強いるのって、どうすか。
 Wiiのあの棒のコントローラーとか。
 それとWiiフィットでしたっけ。
 まあ、健康ソフトは別としてね。
 誰もが剣豪にはなれないのを、擬似体験としてその気分を遊ぼうというのがゲームでございましょ。
 運動神経のにぶい奴も、世界を救う剣士になれたりしてね。
 あのコントローラーのリアル路線を更に更に進めていけば、いまに本当に強いやつがゲーム内でも強い、ということになってしまわないの?
 足の速い奴が、ゲーム内でも足が速いとか。
 つまらんでしょ。
 よくSF映画のなかで、未来のパソコンのようなのを操作しているシーンがありますよね。
 空中に透明なモニターが浮いていて。
 それに直接手を触れて操作している。
 たとえば管制室みたいな場所で、職員がみんな直立してその宙に浮いた透明のモニターをなでている。
 さながらパントマイムの『壁』のようにだ。
 普通に考えて、あんなの疲れるでしょうに。
 肩こってしょうがない。
 技術が進めば、より運動は少なくなるのじゃないのかな。
 そう、
 ホーキング博士のような人たちが、より快適に意志の伝達や移動ができるようにさ。
 たとえゲームであってもそうあってほしいなあ、と思うのだな。あたしゃよ。
 だもんであの管制室シーンは、いつも萎えちまうのだなあ。


 松尾スズキが、何かで書いてたけど。
 オフィスのシーンて、なんでエキストラのみなさんはパソコンのキーボードをパコパコ連打するのかと。
 実際問題として、マウスの方が多いだろうに。
 ひたすらスクロールしているのがいてもいいし。
 ふんぞり返って、飽かずにモニターを睨みつづけてるのだっているだろう。
 いや、文書作成の多い職種だとしても、オフィスの何割かはマウスいじろうよ。
 いじってやろうよ。
 なにゆえ動きたがんの。