BEHIND THE MASK.

 猛威をふるっている新型ウイルス。
 その予防のためのマスクの供給がおっつかなくて、転売やら買い占めやらの騒ぎになっているもよう。
 そもそもマスクって、効果あるの? という疑問もちらほら耳にするし、
 公的機関は、その予防効果に科学的根拠はないとしていたり……。


 ううむ。

 
 あたくしとしては、あれだ。あまりその効果のほどを信じてはいないのだな。
 かつて、とあるシールド(トンネル)工事現場の協力会社に派遣されていた折、シールド内では防塵マスクの着用が義務付けられていた。
 それは坑内に常時漂い続ける粉塵を吸い込み、作業員が塵肺になることをふせぐためであり、加えて作業員は塵肺の検査を年に二回受診することも義務付けられていた。
 使用マスクは、風邪用マスク禁止。あくまで防塵用のものに限ると。
 しかし、風邪用のものより粉塵用は単価が高く、坑内誘導の老警備員たちだけが使い捨て風邪マスクをあてがわれていて、不憫だった。
 警備員てメンバーが固定されないからね。
 常駐者が数人いて、あとはその日の作業に合わせて増減される。
 自然とその増減枠のメンバーは固定されず、
 物がマスクなので使いまわすわけにもいかず、というわけ。

 
 思うのだが、闇の中、投光器の光のなかを霧のように漂っていた粉塵より、ウイルスの方が粒子は小さいのではないかと。
 その防塵マスクは、肌に接するところはゴムで隙間なく密着する作りで、吸気は取り替え式のフィルターを通過して取り入れる一方、呼気は弁のついた一方通行の口から出ていく仕組みであった。

 あたしが使っていたのが、このタイプ↓

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 密着を確認するためにその呼気の口を手で塞ぐと、まったく空気が吸えなくなる。
 粉塵に対してさえそのレベルのマスクを要するのだ。
 それに比べて風邪用マスクの密閉度て、どの程度よ。
 最近の商品には鼻梁の角度に合わせて折り曲げられるプレートが仕込まれてるけど、あれでウイルスに対してどの程度の密閉度を保てるのか。
 もちろん、新型ウイルスが空気感染するのかどうかはまだあやしいが、感染者拡大の速さからみるに可能性は高いのではないのか。


 だもんで、おまじないや御札、お守りのようなものではないかと思っている。風邪用マスクなんてものは。
 つまり、それを着けてひそかに安心するためのものであって、心理的パニックをふせぐ効果はあるだろう。
 あと、のさばる己の自意識対策として、顔を隠すことによって安心感を得るアイテムとして。
 で、そういう認識でよいのではないのかと。
 少なくとも未着用の人に対して過剰に警戒したり、騒ぎ立てるのはどうなの?


 シールド内でも、ベテランのおっさんたちは着けてなかったよ。
 役所のパトロールがあるときだけ着けてた。
 あたしはといえば、肌身離さず着けておりましたので、ダサく思われていたと思う。






 闇生