と呼んでしまいたくなる動きをしている先輩がいる。
仲間の仕事を横取りしてまで、稼いでいる。
醜活。
よっぽどの家庭の事情があるのかと勘繰ってしまう。
家庭のためにヒール覚悟で働くお父さん、とみるなら、それはそれでカッコよいし、情状酌量の余地がある。
しかし、だったら事情はせめて知りたいじゃああーりませんか。同僚として。
んが、仲間を仲間と思わないから奪えるのだともいえる。
おそらく奴は自分の人気のほどを見限ったのかと思う。
自身がリーダーをまかされる現場に、人があつまらない。
ばかりか、複数の隊員からNGを表明されることまで少なくなく。
となるとリーダーの素質を問われるわけで。
誰に問われる、といえば、おのずと自身に問われると。
ネを上げてNGを突き付ける後輩たちを罵倒し、彼等のせいにしているうちに時が過ぎて、50歳を過ぎた。
有体に言えば「 俺は間違っていない 」の一点張りで歳食ってしまった。
そこで自身を顧みて反省するなり、周囲と対話を試みるなり、自分をかえるなりの転換を試みるならまだ良かった。
見限ったのだ。きっと。
そうでなければ、ああも醜く稼がない。
稼ぐのがわるいわけではない。
仲間の仕事を横取りしてまで、食い散らかすのが醜いのだ。
隣のテーブルにまで手を伸ばして、食う。
隙あらば他人の口の中のものまでさらう。
醜活。
この言葉、はやらねえかな。
こんな奴、めったにいねえだろうから流行らねえな。
闇生