10巻目。
副題『9月3日』。
荒野でのクラピカ vs ウヴォーギン戦、続いております。
ウヴォーの全力パンチをガードして「完全にバキバキにぶち折」られたはずのクラピカの左腕。
しかしクラピカは動じることなく親指の能力『癒す親指の鎖(ホーリーチェーン)』発動で、完治。
中指の『束縛する中指の鎖(ジャッジメントチェーン)』は相手を強制的に『絶』にさせる能力であるとのこと。
つまり『束縛する中指の鎖』に束縛されているウヴォーは、念をまとわない生身。
このウヴォーにたいしてクラピカは念で強化した拳を叩きこむ。
あばらを折られるウヴォー。
とここで疑問。
最初にウヴォーを拉致したときもクラピカは『束縛する中指の鎖』で拘束した。
つまり強制絶。
しかしそのあとベッドに拘束しての拷問で、ダルツォルネが突きたてた刀を生身ではじいて折っている。
『絶』されていなかったのか、と思って9巻をふり返ってみた。
拉致時は『束縛する中指の鎖』で拘束したが、ベッドでは違っていた。
ウヴォーは陰獣・病犬の毒がきいている状態で身動きができないので、念を使わない拘束にしたのだろう。
よってウヴォーは『絶』にはされていなかったのでダルツォルネの刀を弾き返すことができた。
で今回は強制絶なので、念で強化したクラピカ(緋の眼なうのため強化系も強い)の拳でたやすくあばらを折られたと。
疑問解決。
クラピカは他の旅団員の居所を聞き出すため、もうひとつの能力を発動。
小指。『律する小指の鎖(ジャッジメントチェーン)』をウヴォーの心臓にセット。
ウヴォーはこれに答えなかったため、裁きをくだされて死亡。
旅団アジト。
陰獣・梟が拷問を受けている。
陰獣は全滅かと思っていたが、梟はかろうじて生きていた。
なるほど、後の展開を思い出せば、クロロはネオンの能力『ラブリーゴーストライター』を盗んでいるが、ある時から発動しなくなる。
つまり、もとの能力の持ち主がこの世から消えたということらしい。
それをふまえれば、この少しあとに展開されるゼノ・シルバ vs クロロ戦で、クロロは陰獣・梟の『ファンファンクロス』を発動させている。
梟がこの拷問のあとも生かされていたということになると、陰獣唯一の生存者ということになるのかも。
ゴン・キルア・レオリオ。
グリードアイランド入札の資金繰りに、ゴンはハンターライセンスを質屋にいれる。
それで得た1億を元手にヨークシンのサザンピースで催されるオークションに参加。
入場料をかねた出品カタログが1200万ジェニー。
参加名義はゴンで登録。
問題のグリードアイランドは最低落札価格89億。
軍資金にはあまりに足りない。
賞金首の旅団の目撃情報提供料が1500万。
しかし手がかりはない。
ゴン一行は蚤の市のオークションをめぐり歩いて地道に稼ぐことに。
念の『凝』を使ってオーラのこめられた商品を見つけていく。
匠と言われる人の作った作品にはしらずに念がこめられているのである。
最初にみつけたのは、ベンズ・ナイフ。
これ、たしか、クロロがvs ゼノ・シルバ戦で使ったナイフのブランド(型は違う)だ。
それからゴンが変なオーラを感じた汚い壺。
これが暗黒大陸編の王位継承戦に登場する『壺中卵(こちゅうらん)の儀』に使う壺ではないかという記事をどこかで見たが、あたしゃ違うと思う。
蚤の市の壺は蓋が閉まっていて、壺の側面に書かれた顔が口を閉じている。
『壺中卵』の壺は、上部に開口部があり、側面の顔の口も開いている。
ただ作風はおなじなので作者は同じかも。
せっかく念をつかって落札した品々たが、それをオークションに出品するには登録の〆切を過ぎていた。
そこで業者市に持ち込もうとするゴンとキルア。レオリオはひとりPCで旅団の目撃情報を収集中。
プロがあつまる業者市に向かう途中で、ゴン・キルアは獲得した品々がどれくらいの勝ちがあるのか鑑定屋をたずねる。
体よくカモられそうになったところに突然ひとりの男が割って入って助けてくれる。
プロの目利きゼパイル初登場。
ゴン・キルアはゼパイルと打ち解け合い、ギブ・アンド・テイクで協力し合うことに。
手数料と引き換えにゼパイルから目利きの指導を受けるゴン・キルア。
と、そこへレオリオから信用できそうな旅団の目撃情報があったと連絡が入る。
レオリオと合流するゴン・キルア。
ターゲットは男女のカップル。ノブナガとマチ。
このあたりからマチの『勘』がキーになってくる。
マチの勘は当たる、が団員共通の認識らしい。
旅団は、ウヴォーをさらった鎖野郎(クラピカ)を探している。
ノブナガとマチはその鎖野郎(クラピカ)が襲ってくると期待して、賞金首となっているにもかかわらずあえて白昼堂々と街なかでデートをしている。
ようするに見つかるのを待っている。
文字通り蜘蛛が巣を張って獲物を待つように。
キルアは遠望して、俺たちではかなわない相手と見極めた。
のちにネテロがピトーを遠望して力量をはかったのが思い出されます。
でノブナガとマチ。たとえればヒソカ二人分だろうと。
ゴンたちの気配を察知して場所を移動するノブナガとマチ。
ここも注目ですな。
よくノブナガの『円』の小ささを揶揄する声を聴きますが、それは確実に瞬殺するテリトリーとしての円ではないかと思うのです。
つまりキルアの電光と似た性質の円。居合の間合いとしての円。リーチ。
絶をつかってノブナガ・マチを尾行するゴンとキルア。
しかし二重尾行していたフィンクス・パクノダ組がこれをノブナガに通報。
ゴン・キルアはあえなくとっ捕まります。
この二重尾行。
ハンター試験のゼビル島でもありましたね。
ヒソカを尾行するゴンはゲレタの尾行に気づけずに毒矢でやられてしまいました。
行く手をはばまれたゴンとキルアに尋問をする旅団員。
ノブナガ「今死ぬか 後で死ぬか どっちがいい?」
これ、キメラアント編のキメラ化パームの名言に重なりますね。
アジトに連行されるゴンとキルア。
そこにしれっと旅団員としてヒソカがいます。
ゴンが少し前にシズクに腕相撲で勝った、ときいてノブナガがゴンに腕相撲の相手をさせます。
ノブナガによるウヴォーへの熱い想い。
ウヴォーとノブナガの仲は旅団設立前からだというから、古い。
ノブナガは鎖野郎につながる情報を探している。
触れた者の記憶を探るパクノダの能力によると、ゴンとキルアの記憶にそれらしい人物はいない。
ゴンとキルアがクラピカの能力をまだ知らないからだ。
ここでのやりとりでノブナガはゴンとキルアを気に入ってしまう。
強化系特有の単純直情型であるゴン性格が、同じ強化系で親友のウヴォーと似ているのだろう。
団長に談判してゴンとキルアを旅団に入れてもらおうと考えるノブナガ。
ノブナガはゴンとキルアを見張ってアジトに留守番。
他のメンバーは引き続き二人一組で鎖野郎の情報をあつめることに。
ノブナガが欠けるのでマチは余ったヒソカと組む。
フランクリンはフェイタンとオークション襲撃時に組んでいた。
パクノダはフィンクス。
シャルナーク、コルトピ、ボノレノフ……。
あとはどういうカップリングなんだろ。
留守番となったノブナガ vs ゴン・キルアの心理戦がスタート。
格上ノブナガとの密室でのにらみ合いを打開したのは、目利きのプロ・ゼパイルからの教えだった!
一方、クラピカたちノストラード護衛団。
危険を察知してノストラードのドンは、オークションは中止になったと嘘をつき娘ネオンを帰宅させることにする。
んが、
実は再開される。
出品作品の運搬役、陰獣・梟の死体だけが見つかっておらず、おそらくは旅団に拷問されてお宝はすべて奪われてしまっただろうとのこと。
陰獣全滅をうけて十老党は旅団の始末をプロに依頼した。
マフィアにとって殺しとは威嚇の手段であって専門分野ではない。
旅団の始末は、殺しの専門にまかせることに。
てことは陰獣は殺しの専門家ではないと。
ここでゼノ、シルバ登場とあいなるわけでございます。
闇生