11巻。
副題『9月4日』
ゲーム『グリードアイランド』入札のための軍資金稼ぎ。
それを賞金首の旅団ハントで賄おうとするゴンとキルア。
尾行はまんまとバレて旅団のアジトに連行されてしまうことに。
ノブナガ監視のもと監禁されてしまうが、目利き屋ゼパイルに教わった木造蔵の贋作法をヒントに脱出成功。
ノブナガ脆弱説の根拠はこのあたりにもありますな。
ゴンたちの尾行には気づきながら、同じ建物の中の追いかけっこで完全に見失っている。
ノブナガの円は半径4mが限界。
で、彼の使う居合の間合いとしてはそれで充分だ(「つーか これが限界」)としているが、『居合のための円の精度』と『対象を察知するための円の精度』は違って然るべきではないのかと思う。
と、あたしゃ弁護したい。
したいなー。
したいが、
ゴン・キルアに子供の鬼ごっこのようなトリックでまかれてしまうあたり、やはり、つらいなー。
一方、ネオン。
センリツ、バショウらに護衛されてリンゴーン空港でショッピング。
目当てのオークションは中止と父に諭されて帰途につく予定であったが、その実オークションは敢行されることを知っている。
ネオンはセンリツらをまいて単独でオークション会場へ。
クラピカ。
マフィアコミュニティは旅団を抹殺するためそれぞれのファミリーからプロの殺し屋を送り込むことに。
ノストラードからはクラピカ。
ゼノ、シルバ=ゾルディックは十老党から依頼をうけて参加。
愛娘ネオンのオークション潜入を阻止すべく父ライト=ノストラードは、検問をしき、ネオン保護に動く。
しかし、クロロが言葉巧みにネオンに接近しカップルを装うと、公園に住む人を運転手に仕立てた車でなんなく検問通過。オークション会場に潜入成功。
クラピカは薬指の能力『導く薬指の鎖(ダウジングチェーン)』でネオンがすでに会場セメタリービルにいることを突き止めた。
ちなみにセメタリー・ビル。
Cemetery=墓地。霊園ですな。
必ず当たる占いというネオンの能力『ラブリーゴーストライター』で未来をみてもらうクロロ。
この占いグリードアイランド編にもつながってくるので、読み飛ばせませぬぞ。
会場潜入の際にはクロロはネオンを手刀一閃、急病人にしたてあげ、その騒ぎにまぎれて見事成功。
その様子をとらえた監視カメラの映像からクロロの手刀を見抜いたのはただひとり。
マフィアが雇ったプロの殺し屋。
はい、彼はこの名言でハンタの歴史に残りました。
「オレでなきゃ見逃しちゃうね」
くーっ。
ベレー棒のナイフ使い。
しかしクロロが他の能力者から盗んでいた能力『密室遊魚(インドアフィッシュ)』という念魚の餌食となり、生きたままお陀仏と。
そしてクロロはウヴォーを弔うため、旅団をあげての「大暴れ」に、注文をつける。
曰く「派手に殺れ!!」。
このあと、
コミックスでは幕間のコメントとしてクラピカのモデルを王蟲であると作者が明かしています。
同胞を脅かす敵への怒りに目を赤く変色させる王蟲は、復讐のために我を忘れて猛進しましたね。
それとセンリツのモデルがナウシカ+ユパ。もしくはナウシカ+アシタカか? とのこと。
怒りに狂って暴走する王蟲を、閃光弾と虫笛(でしたっけ?)ひとつでなだめたナウシカ。
これに対してウヴォーの入れ墨をみて無謀に走りかけたクラピカをフルートひとつで冷静にさせたセンリツ。
たしかに重なります。
アシタカは人間を恨み呪うタタリ神の暴走をおしとどめました。しかしこれは弓矢で。
もしくは人でありながら人を憎悪する山犬の子サンに対するアシタカの姿勢を指しているのだろうか。
で、
ともかく、旅団は大暴れしながら団長が先乗りしているセメタリービルを目指します。
クロロは眼下に繰り広げられるウヴォーへの鎮魂歌をビルの上から指揮する。名シーンですな。
知能の高い殺人鬼やテロリストにクラシック音楽を重ねる演出はエンタメの王道です。
ちなみにクロロはウヴォーギンを「ウヴォーさん」と「さん」付けしているの注目です。
地下オークション会場セメタリービル。
外で繰り広げられている殺戮を知ってマフィアたちが騒然とするのを、シルバ=ゾルディックが壁どん一発で黙らせる。
かっちょええ。
するとゼノ。
刺客が一人(クロロ)すでにビルの中にいる。
素人は黙ってじっとしてろ、と。
ゼノとシルバは『円』を使ってクロロの居場所を探して行きます。
ビル全体を円におさめるとなると半径100m以上の円を保たないとサーチできない。なのでシルバがゼノを心配します。
しかしゼノは「本気を出せば300mはいける」と豪語。
どうやって測量したのか。
たしかカイトが45m。
ノブナガが4m。
ならばネフェルピトーはkm単位かな。
で、おまちかねのゼノ+シルバ vs クロロ戦。
シルバは過去にクロロと対戦したことがある。
なのでクロロの能力が他人の能力を盗むことを知っている。
そしてその感想が「割に合わない」。
まずはクロロがベンズ・ナイフでご挨拶。
有名な殺人鬼が作ったナイフブランドで、先日ゴンたちもおなじブランドのものを蚤の市でみつけました。
そのナイフでシルバは腕を切られる。がナイフの形状から毒が仕込まれていることをシルバは見抜いており。
0.1mgでクジラを動かせなくする毒だというのに、シルバは「問題ない」。
ここでクロロが能力発動。
「ブック!!」
じゃなかった『盗賊の極意(スキルハンター)』。
盗んだ能力をファイルした本を片手にもつ。
そのなかから陰獣・梟の『ファンファンクロス』を発動させるクロロ。
これを時間稼ぎとみたゼノは『龍頭戯画(ドラゴンヘッド)』で対応。
竜頭蛇尾と鳥獣戯画という言葉から来ているのでしょうかね。
ゼノは龍型の念をまとうと『牙突(ドラゴンランス)』その龍を縦横に伸縮・変化させてクロロを追い詰めていく。
クロロのねらいは『ファンファンクロス』でのゼノの生け捕り。
しかし予想以上にゼノが手ごわいと覚ると本を閉じて能力解除。
壁を背に防戦一方となるクロロをゼノは押さえ込んでシルバに「今じゃ(わしごと)殺れ!」
シルバが見せたこの『ビッグバンインパクト』級の破壊能力。
能力名は明かされません。
というか、シルバの能力って紹介されたことがない。
のちにヂートゥを瞬殺したのも念能力というよりは、着地点にたまたまザコがいたから潰しといた的な扱いだし。
ところが、御存じのように、ゼノの「わしごと殺れ」は完遂しませんでした。
なぜなら直前にイルミからの連絡が入ったもんで。
もしイルミからの連絡がなかったとしたら、ゼノは直撃の瞬間にシルバの一撃の威力を殺さぬように『絶』するんでしょうか。
背後からくる息子の一撃を待つゼノが、すげえ嬉しそうなのが印象的です。
イルミからの連絡はゾルディック家専用無線機から。
実はクロロはイルミに『十老党』の始末を依頼していたそーな。
連絡はそれを完遂したとのこと。
その現場にはイルミのほかに末妹(末弟?)カルト、曽祖父マハの姿もあります。
シルバとゼノの依頼人が十老党。そのため、依頼人が死亡とあってゼノたちは仕事をする意味をなくしたのでした。
プロの暗殺者であるゼノたちはタダ働きはしないという方針。そこが単なる殺人鬼とは違うというプロとしてのプライドなのでしょう。
無差別のテロ集団と軍隊の違いを彷彿とさせます。
ともかく間一髪、クロロは直撃を免れた。
しかしまあ、十老党の始末をゾルディック・ファミリーに依頼する理由がいまひとつぴんと来ない。
マハまで出動させてますからね。
単にかわいい曾孫だか玄孫だかについてきちゃっただけかもしれませんが。
依頼額は相当なものですよ。
そもそも旅団自体が凄腕の殺人集団もであるのに、しかも盗賊団であるにもかかわらず、よそへ発注している。
大金をはたいて。
この一戦。
戦後のゼノとクロロの会話から、本気を出せばクロロが上という評価になっていると思う。
けれど、
ゼノもシルバもほぼほぼ無傷だ。(シルバのナイフ傷くらいか。)
服すら汚れていない。
一方クロロの姿は重症こそなさそうだが、ボロボロに汚れてますな。
十老党の面々はイルミの針によって死にながら人形のように操作され、旅団は始末したからオークションは続行する、と発表。
しかし開催されたオークションの品々は、フェイク。
旅団のコルトピの能力『神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)』でコピーされたものでした。
他の旅団メンバーもコピーされ、フェイクの死体として現場に残されます。
のこされたコピーの死体から、旅団員が『流星街』の住人だと知られます。
そこはゴミも武器も死体も赤ん坊も、そのすべてを受け入れる街。
面積は東京+埼玉位。
人口800万(推定)。
1500年以上前から廃棄物の処分場とされていた。
かつて流星街出身の浮浪者が殺人容疑で有罪となり、3年投獄されたのちに冤罪だと判明した事件があった。
その報復として冤罪にかかわった31名が自爆式殺人で消される。
死体のそばに残されたメッセージがこれ。
『我々は何も拒まない だから我々から何も奪うな』
彼らの絆は『他人より細く 家族より強い』。
旅団、
お宝を手にし、ウヴォーの弔い合戦も済ませました。
鎖野郎への復讐だけが未達成ですが、クロロは撤退を決めます。
闇生