階下の生保の飲んだくれがまた床を踏み鳴らしている。
どん。……どん。……どん。……。
音が重く鈍いので、壁に頭を打ち付けているのかもしれない。
未明、たまらず外へ出た。
GWなので仕事がない。
それはいつものことだ。
んが、
今年はどこにもいけない。
それがなかなかにつらい。
あたしゃ今回の件では世間ほど神経質になっていないが、といって開き直ってもいない。
ご近所や近くのスーパーなどでは同調してマスクこそしているが、実のところ深夜のサイクリングコースのジョギングくらいは別に構わんだろうとも思っている。
思ってはいるが、我慢している。
昨晩はついにむしゃくしゃして午前三時にバイクで近所を走った。
道はがらんとして、おもに流通関係のトラックばかりが行き来していた。
ガラガラだ。
人気のない深夜帯をねらったと思われるジョガーやウォーカー。
ときおり中高生とおぼしきチャリンカーたち。
ただファミレスもカラオケボックスも開いていないので、目的地もなくぶらぶらしているように見受けられた。
どこにも寄らず、バイク以外の何にも触れぬようにして帰還す。
あたしゃ現場で仲間と立ち話をするくらいの人付き合いしかしない。
その立ち話も、最近ははばかれる雰囲気となっている。
よって、こうなると全くコミュニケーションの機会を失ってしまう。
メールのたぐいも、こちらから発信してやっとこさ返信がくるような対人関係しかもてず。
相手の律義さにあまえて発信ばかりしていると、単にうざい奴になりさがる恐れがあるのでほどよいところで黙る。
だもんで、とてものこと自発的にお声をかけてもらえることもまずない。
と、そう思っていたところへ、珍しくメールがきた。
外出自粛をもとめる緊急エリアメールではない。
唯一、演劇の趣味が合う同僚からのもので、Youtubeに違法アップロードされている芝居の情報であった。
消される前に観ろ、と。
すでにDVDで持っている演目であったので、簡単な感想をのべて返信。
もともと文章や言葉にするのが苦手な人なので、さらなる返信など期待もしていなかった。
案の定、それで途絶えた。
ながいこと日記をつけている。
最近はコロナの被害者数を日々そこにメモっている。
感染者数は、各国の検査精度の差などに左右されるので、死者数をメモる。
国内と世界全体と、それともっとも被害の大きい米国を。
日本は522人。(5/2 22:00pm厚生省)
米国が66,369人、
世界トータルで243,808人(5/3 11:32am米国ジョンズ・ホプキンズ大学)
以下にリンクを貼った記事は4/23のものなので、データに時間差があるが、ぜひご一読を。
「危機ではないし、危機感もない。」
という言葉に考えさせられる。
前に書いたが、韓国では自宅隔離とされた人には監視がついて、それをやぶれば通報され、連れ戻されるという記事。
たとえば日本でロックダウンやこの韓国のような対応をするとなると、どの法律を根拠に実行されるのだろう。
法的根拠なしに国民を束縛はできないだろうに。
ああ。またどんどんが始まった。
関らんほうがよいのか。
それとも声をかけたほうがよいのか。
この事態のなかの自営業やフリーの人たちの不安を考えれば、
いったい生保のなにが不満なのか。
いや不満なのだ。
ニンゲン、食えるだけでは満足できない。
それを自覚できる人は少ない。
SOSのモールス信号なのか。このどんどんは。
人生のロックダウン状況への抗いなのか。
わかってもらいたいのが何なのか。それが誰に対してなのか。それすらわからず、
どん……。どん……。
出してくれ、のノックなのか。
入れてくれ、のノックなのか。
両隣の住民はどうしているのだろう。
※追記
国民の外出を制限しないスウェーデンの政策が、やはり注目ですね。
経済優先という。
ある意味残酷だが自然の淘汰にまかせる姿勢であり、経済を維持しつつ集団免疫の獲得を待つというかまえである。
スウェーデンは、
死者2,669人 致死率12.09% 回復率4.55%
日本の致死率は3.25% 回復率22.00%
この政策に対する反対運動などは聞こえてこないが*1……。
闇生
*1:と思ったら、こんな記事が。 www.newsweekjapan.jp