10万円?
俺べつにカネこまってないからいらないよ。
と現場で先輩がのたまっておられた。
家庭が火の車状態であることで知られている後輩に向かってそれを言う神経もアレだが。
だったら四の五のいわずに、貰ったその手でどこかに寄付するなり身近な困窮者に与えろよ、とも思うが。
まあ、そういう気持ちの人たちも少なからずいるのでしょうな。10万円ぽっち。あってもなくても変わらないと。
実際は「 カネにはこまってないけど、もらえるものならもらっといた方が得じゃん 」という考えの方が多いのではないかと思う。
10万円。
いっそこうしたらどうだろう。
一定の年齢制限を付けて一人頭で配布して、
手にした10万円は投票権のように10万円券として他者に投じねばならないと。
もらったそのままでは使えない。
誰かから投じられてはじめて自分で使えるようになるというルール。
だから誰かが自分に10万円をくれるかもしれないし。くれないかもしれない。
友達同士で券を交換するひともいれば、
困窮している近所のラーメン屋に与える人もいる。
その人がいつも利用している商店、
応援したい企業や団体、有名人、実業家、福祉施設、劇団や劇場に与える人もいるでしょう。
そうすれば、
「 みなさまの清き10万円券を、どうかわたくしに 」
なんて演説する団体やパフォーマーなんかも、動画サイトで出て来るに違いない。
そうすると多くの人が「たった10万円」などと軽んじたりはしないだろうな。
厚意を集めることができれば、多額な支援金にもなるのだ。
誰もが誰に投じるかを、結構考えるはず。
好きなYoutuberやアイドルに投げる人も出てくるだろうけれど、それもその人の自由だ。
誰が沢山集めたかのランキングを晒すことができたとしたら、さらに緊張感が増すぞ。
彼らの使い方に注目する。
投票締め切りを決めて、夕方から生の選挙速報式にテレビで発表。
企業や団体なら目標額達成と同時に達磨に目を描いて万歳三唱したりね。
閉店まぢかの個人商店には密着ドキュメントが企画されたり。
店主が涙ながらに感謝の弁を語る絵は、感動的じゃありませんか。
で、個人的にうっかり頂いちまったりしたら、これもこれで使い方をシリアスに考えるし。
どうでしょう。
あなたなら10万円券。誰に投じます?
冗談はさておき、
真面目な話をすれば、
やはり医療関係にまとめてお金をだすべきだよね。
我々大衆は即金をほしがるが、コロナが終息しないがきり、カネのばら撒きは焼け石に水に過ぎない。
客が元気でなければ、どの商売もうまくいかないでしょうから。
現状では患者はもとより医者がへろへろになってしまっている。
さて、マスクの配布が開始されたという。
たった二枚かよ、の声がありましたが、
これで集団密集した状況においてのマスク着けていない人に対する「 手に入らなかったのかな? 」という斟酌は、減りますな。
マスク着けていない人は『 まる出し 』の露出狂寄りで見られるのではあるまいか。
変態あつかいである。
あらいやだ。あの人まる出しだわ。なんて陰で囁かれて。
結果、将来的に他者の口元を見る機会はめっきり減り。
それによって口元を見せ合う仲こそがエロの起点になるやもしれず。
え? うそ。 その男と会ったその日に口まで見せたの?
そうよ。あたし舌までみせちゃった。
しんじられなーい。
何かの拍子にマスクの隙間からちらりと見える口元に異常に欲情したり。
しなかったり。
テレビは、他人の口元を公然と注視することができる媒体となり。
マスクをつけていない芸人の口元はすべてモザイク処理されたり。
いったい何を言ってるのでしょーか。あたしは。
ところでコロナ。
手元の英和辞典には、
『 ( 太陽・月の周りの )光冠。皆既日食のときに見える光冠 』とのこと。
となるとこの事態に至る前に、これを子に名づけた親などいなくはないのではないのかな。
ころなちゃん。
かわいいじゃないですか。
ペットにコロナと名付けていても別段珍奇なネーミングではなかったでしょうし。
存在の不確かなコロナちゃんたちにも10万円とマスクがいきわたりますように。
神奈川県医師会からのお願い
https://kanagawa-med.or.jp/images/about_coronavirus.pdf
闇生