壁の言の葉

unlucky hero your key

 とまあ、 
 無事にローソン着でデジカメを受け取った次第であーる。
 それはいい。
 それはいい。
 けど、どーしよーと。
 おニューの道具というものは、あれだ。
 いざそれを持つと、使おう使おうと思うほどに、使いそびれてしまうもので。 
 ましてやインストールだのアカウント登録だのといったプチ面倒がぷちぷちと爆ぜることは明白なわけで。
 否が応にも肩に力が入る。
 などといってもおられんだろ。
 貴重な連休をいただいのだ。
 昨日は泥まみれの三時間残業のあとの打ち上げででろでろになってしまい。その疲れをいやすのと役所関係の野暮用に費やしてしまった。
 もとより計画もないわけで。
 たてるつもりもなく。
 のんびりと費やすべくして費やしたったのだ。
 ざまみろ。
 んで、今日も今日とて床屋を済ませて、やっぱのんびりだ。
 もお、ぽよよお〜んとしたろと。
 けれど、ちょっとだけアクティブなのんびりにしてやろうではないかと目論んだ。
 つまりが腰が引けたわけだが、西荻に出向いた次第。
 わざわざ。
 サンダル履きにジャージののんびりから、スニーカーにジーンズののんびりへとスイッチだ。
 つったって全身が筋肉痛である。
 頑張ったほうでしょ。
 むろんこの度もニヒル牛が目当てであーる。
 市井の表現者たちの表現せずにはおられないそのアクティヴな性分を、こっそりおすそ分けしてもらおうというわけ。
 何か月ぶりかなのにまったく箱の様子が変わっていない作家さんもおられれば。
 地道にこつこつと更新しつづけているらしき箱もある。
 そんな箱どもを抱擁する店自体が新陳代謝をつづける『箱』なのであり。
 とりわけ本日は二号店の店番が店主あるさんと、おかやんさんという、そのやりとりを傍目に聴いているだけで飯何杯もいけるといったニヒル最強の陣がまえとあっては、たまらない。
 加えて、連休前の終末とあってさぞかし混雑しているかとおもいきや、まるで映画の中の骨董屋のごとき静かで濃厚な鑑賞タイムを過ごせる幸運。
 ひやかしでも十分に満喫できる。
 えかったわあ。
 薦められるままに特設店『旅の本展』の手作り本を手に取った。


 平田真紀『一人書店TOUR』


 短歌や詩を作っている著者が全国の文学フリーマーケットに出店してあるいた、その旅の足跡らしい。
 見よ、この手作り感っ。



 寝るまえにちょっとずつ読み進めよう。


 で結局、デジカメは使わずじまい。
 そんなもんだ。
 ついでに何年かぶりに赤羽の団地を観に行こうと思ったが、やめた。
 思いのほか風が強く。それにしてはちょっと薄着だったのだ。
 あれだね。
 街なかでカメラ構えるのって勇気いるね。
 ましてや公園で他人の子供を撮るのって、ねえ。
 こっちゃおっさんですから。
 保護者の了解をとってから撮るんじゃ、自然な一瞬が撮れないでしょ。たぶん。
 その点、女性は得だよなあと。
 アラーキーみたいに、おっさんを超越してしまえばオッケイなんだろうけれど。




 ☾☀闇生☆☽


 追伸。
 本店の店番は島田さん。
 コーヒーの香りと、
 時折それをすする音。
 して耳触りにならないように微かに鳴っている音楽。
 こちらもその空気からしてが、大切な空間なのです。