夜勤の道路工事。
つい数年前まで作業終了間際の明け方には新聞配達のバイクが跋扈したもので。
動線無視、誘導無視で規制をまたいで作業帯に侵入してきたり、
片交区間にバイクを路駐したりのやりたい放題をされた。
モルタルを打ったばかりのところを平気で踏み入ったり、
重機の旋回半径に飛び込んできたりとそれはもう散々なありさまで。
何が厄介かというと、意思の疎通が成立しないところ。
お願いしても会話が成立しない。
動線を説明しても聞く耳をもたない。
挨拶も会釈もない。
だまって侵入してくる。
ひどいのはトラバーを蹴り飛ばして入ってきたのを覚えている。
そのときは気の短い仲間と口論となって騒ぎとなった。
後日、販売店の責任者が謝りに来たけれど。
ここを踏まないでください、と目を見てお願いして相槌があったとしてもそこへバイクを踏み入れるのだな。
トラバーを飛び越えるのもいる。
彼らは外国人なのかと本気で思ったこともあった。
ここ数年、新聞配達の数が明らかに減った。
新聞を購読するお宅が激減しているのだろう。
いずれ絶滅するのに違いない。
けれど現状ではしぶとく生き残っている。
そして、やはり彼らの大多数は言葉が通じないのだ。
配達するマンションに横付けしたい、と昨夜は乞われた。
マンションの真正面は車両通行止めで仮設の歩行者通路になっており、そこにバイクを停めたら歩行者・自転車が堰き止められてしまう。
ほんの五メートル手前に停めてくれれば、そうならずに済むという状況。
しかしそれが通じない。
横付けしたいと。そのマンションに配るのだからと。ごり押ししてくる。
仕方なく許可すると、配った新聞はわずか三部だ。
五メートル手前からでは出来なかったのだろうか。
配達員はおっさん。
つい先だっての別現場でもあった。
やはりバイクを横付けしたいと。
目標は一軒の戸建てだ。
徒歩なら通路を通れるがバイクを入れられる状況にない旨伝えると、
工事が何時ごろ終了するかを確認して、怒ってぷいと引き返していった。
歩きたくないから規制開放後にバイクでまた来るとのこと。
これもおっさん。
けれどこれらはまだ会話になってはいる。
その他の大多数は無言。無視。目もあわせない。
その一方で配達や宅配員は挨拶をしてくれる。
昔は粗野で喧嘩ごしだった清掃員もここ数年はおとなしくなった。
説明も聞かずに怒鳴りつけて来るのがよくあったのだけれど、最近は無い。
工事、いつまでやってんの? とか。
どーもー、とか。
たまに「おつかれー」までいただくほどだ。
数年前まで新聞の勧誘といえばチンピラ風情の役割だった。
旅行券だのを使って、他社の新聞をとってうちのを取らないのはよくないだとかなんだとか。
何時間も粘られたな。
現代では勧誘のチンピラは消えたけれど、気風だけは残っているのだろうか。
業界的に、社員教育という考えが欠落しているのかもしれない。
ノーヘルで歩道をバイクで突っ走るのは見慣れた光景だしね。
なんなんだろうね。