壁の言の葉

unlucky hero your key

日曜。

何もない日曜。
役所からの通知が郵便受けに届いている。
開封してみれば、生活保護支給の明細と支給日のお知らせではないか。
はて。
宛名をあらためると、お隣りさん宛てだ。
ははん。
配達員が部屋をひとつ間違えたもよう。

じっとその額をみる。





頑張ろう。




てか、開封しちゃったじゃん。
どーするよ。
このまま隣の郵便受けにダンクしとくのも、なんだかうしろめたい。
故意ではありませんよ、事故ですよ~、
の表明がなくてはならんだろう。
報告すべき相手は当のお隣さんか。
役所か。
旬順したが、幸いにも封筒はきれいだ。
ええいままよと明細を折り直し、スティック糊で封をしなおして隣の郵便受けに。

もともと警備員で、
失踪してホームレスに。

という事情を、
彼を探しつづけてこのアパートにたどり着いた血縁者から伺った。

本を手に電車に乗る。
とりあえず新宿にでるのが長年の癖になっているので、この日は変えてみよう。





横浜へ。

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おりしもベイスターズデイゲーム
青い人波をすりぬけて、
にぎわう中華街の雑踏を突破しながら、
ふと、数年前に訪れたショートショート専門の映画館を思い出す。
せっかくなので久方ぶりに行ってみようと。
Googleマップをにらみにらみみなとみらいまで歩いた。

でえっっっかいマンションばかしなり。
みなとみらい。
道中、ファストフード店でもあれば腹ごしらえしたろと考えていたが、ねえでやんの。
てか中華街ですましておけよという話だが、あの混雑ぶりにはひるみますよ。さすがに。
まあでもショートショート・シアターは鑑賞しながら飲み食いできるのがウリなのだし。
ビアと軽食をトレイに載せて、
ふんぞりかえって世界の映画を、
それもめったにソフト化も配信もされないショートショートを堪能できるのだし。
と腹を決め、
映画館のあるブリリアなんたらマンションへ。
エレベーターホールで、せめてこの日の出し物を確認しようと周囲を見渡す。
お知らせとして貼り出されたポスターには、汗ばむ筋肉が。
ははん。
格闘アクションものの特集なのだな、と。

さて、何階だったろうと文字を追うが、表記がない。
かつて映画のポスター用に使われていたお知らせスペースに貼られていたのは、スポーツ・ジムのものだった。

Google

マップで道案内はしてくれたが、それ以外の項目はスルーしていた。
不覚。
2017年に閉館していただなんて。









駅へ。


車内で本。
もうすぐ50歳だぞ、おい。
どすんだほい。



追記。
ショートショートシアター。
オンライン化して継続中のもよう。
ううむ。
空間として存続して欲しかったのだが、
やっぱ交通の便がね。
http://sst-online.jp/




闇生