もう一年経つのか。
影響を与えてくれた音楽家やら著名人がばたばたとお亡くなりになった一年であり。
なかでもやはり幸宏さんの訃報には、歳の初めから脱力させられた。そして引きずった。
まだ厨二病なんていう言葉もなかった思春期。
すっかりこじらせてしまったあたくしはアルバム『What Me Worry?』の歌詞をさながら写経の想いでノートに書き写したりしたもので。
そのころには文通なんていう淡い恋も不器用ながらにしていたのではあるが、意味も分からんくせにその歌詞を書き送ったりして、思えば随分と引かれていたとおもう。
痛い奴だよ。
今でいう厨二病とやらをまさに地でいく中二だったのであーる。
どう気取ったところで坊主頭でちゃりんこかっ飛ばすサッカー少年だものな。
あほちんだ。
哀しいことにそれは不治の病だったらしく。
いま、鏡をつかって己が顔を矯めつ眇めつ眺めてみてもさすがにもはや少年の面影はない。
正真正銘のおっさんだ。
そうさ、はばかりながらおっさんだ。
幸宏さんのようなおしゃれなおじさんにはものの見事になれなかったものの、実はそれこそが不幸中の幸いというやつで、ぶざまなおっさんとなり果てた以上は厨二病だなんてもんは気が付いたら治っていた鼻っ風邪のようなもので、感知しているものと思い込んでいた。
甘かったと痛感したのは、例の訃報である。
そうか、沁み込んでいたものな。
骨の髄まで。
幸宏さん。
なんで、いないんだよ。この世に。
☾☀闇生☆☽