十八巻目。
副題『邂逅』。
ゲンスルー組との対決。
ゴンはゲンスルーと一騎打ち。
圧倒的な戦闘経験の差を身をもって知らされるゴン。
「それでも攻撃(いき)なさい
必ず やられるから」
これはビスケの教え。
逃げ回るのが自然な動きとなり、そうなれば予定の場所におびき寄せることができる。
けれどゴンの性格上、そうやすやすと相手に背を向けることができないんですな。
一方ビスケ。
バラとの対戦担当。
ビスケは『同行(アカンパニー)』でバラもろともソウフラビへ飛びます。
戦闘場所を誰もいない砂浜にかえます。
一対一の体術で戦いますが、バラは案外とつよい。
ついにビスケはゴリ化してバラを一発でのすのでした。
ということはビノールトよりバラは強いということ。
キルアもまた『同行(アカンパニー)』を使った移動先で一対一の戦闘。
相手はサブ。
キルアは余裕ですな。
オーラの量で格上のサブを相手に新技を試すのですから。
『雷掌(イズツシ)』と特性50kgのヨーヨーをふたつ使った技。
掌サイズの50kgの金属て……、とツッコミたくなりますが。
雷掌はゲンスルーのリトルフラワーの電撃版といったところでしょうか。
で、ゴン。
苦戦しております。
ゲンスルーはリトルフラワーを繰り出しますが、ゴンはその触れられた箇所を『凝』でガード。
かろうじて防御します。
ところがゲンスルーのリトルフラワーは片手だけではなく両手どちらからでも発動できる。
つまり両腕をつかまれたなら、どちらを爆破されるかを瞬時によんで『凝』で守らなければなりません。
そしてリトルフラワーの防御にばかり気を取られていると他の部位のオーラががら空きとなって、そこを攻撃されます。
ゲンスルーは二択をせまります。
ゴンの両腕をつかみ、両方を同時に爆破する。
壊されたくない方を凝でまもれと。
次は残った手と足をつかみ、同じように片方を凝でまもれと。
それをお前がダルマになるまで繰り返すと宣言。
ゴンはここで作戦通り逃げに転じるべきでしょう。
しかし、ゴンです。
ヒソカ戦の天空競技場でもそうだったように、
またハンター試験でハンゾーに降参しなかったように、
せめて一矢報いたい。
ゲンスルーは易々とゴンの両腕をつかみ、同時に爆破します。
しかし予想外のカウンターをくらって脳が揺れる。
そのゆれる景色のなかでゴンがジャンケングーを繰り出すべくオーラを充填しているではありませんか。
ゲンスルーは転倒し、ゴン渾身のグーは空振りに。
なんとゴンは左腕を捨てていたのです。
手首から上がありません。
右腕もボロボロですが、ジャンケングーのためにいくらかの凝で守った様子。
そして食らったカウンターはゴンの蹴りでした。
左腕を捨て、オーラを右腕とカウンター狙いの足に振り分けていたのでした。
一泡……吹かせてやったぞ!!!
ここからが本番だ!
ゴンは本から一枚のカードを取り出します。
これを使うと最悪の場合、お前は死ぬ。
たまらずゲンスルーは降参を申し出します。
ところがスキを狙ってゴンの喉をつぶしにきました。
カードの呪文を唱えられなくするために。
こういう卑怯なまねをゴンは徹底的に嫌いますよね。
それを読んでいたのでしょう。
ハンター試験でキルアはハンゾーに「ゴンにまいったを言わせなくすることくらいあんたなら簡単だったはず」と言うシーンがありました。
そこから考えて、この発想はキルアでしょう。
呪文を唱えられないようにしてくるだろうと。
狙い通り、先に取り出していたカードは本から取り出されて1分経ったために呪文無しで自動でアイテム化。
なんとガソリンでした。これをゲンスルーに見舞います。
1分
ビスケたちと訓練した時計なしで1分を精確に測るという成果です。
そして次の1分がこのタイミングで始まります。
ガソリンをかぶったゲンスルーはもうリトルフラワーを使えません。
しかしゲンスルーにはもうひとつの能力『カウントダウン』がある。
対象にふれれば、離れて爆破できる能力。
勝ち誇ったゲンスルーのまえでゴンはジャンケングーの構え。
ねらいはなんと地面でした。
グーを食らった地面が崩壊します。
二人は巨大な落とし穴の上にいたのです。
ゴンもろとも落下するゲンスルー。
深さは15、6階建てのビルくらいはあるでしょうか。
とても逃れることはできない。
穴の底に小さな横穴があって、そこにゴンがいます。
ゴンは頭上にむかって一枚のカードを放り投げる。
1分。
投げたカードは巨大な岩でした。落とし穴の直径を隙間なく埋めるほどの。
落下してくる巨岩にゲンスルーはたまらずゴンのいた横穴に逃げ込みます。
間一髪かわしたものの巨岩に退路をふさがれる。
眼前にはジャンケンの態勢をととのえるゴンの姿。
ゴンにしては珍しいことにゲンスルーが「まいった!」を言っても容赦しません。
グーのクリーンヒットでゲンスルーは気絶。
ゲンスルー組。
三人拘束されて野原に転がされます。
ゲンスルーが意識を取り戻すと顔をつぶされたバラが横にいます。
ゲンスルーはバラに回復魔法『大天使の息吹』を使ってやってくれと懇願。
最後は仲間も裏切って報酬を独り占めするような奴だろうとふんでいたので、これは驚きです。
傷付いたゲンスルーたちに『大天使の息吹』を使おうとするゴンたち。これにゴレイヌが猛反対します。
ゲンスルーたちはゲームの中で数十人のプレイヤーを殺してきました。
グリードアイランドは現実世界のなかの特定空間に過ぎないので、ゲーム内の死は現実の死です。
殺しは殺し。
しかしキルアは元殺し屋。
同じくらい人を殺めてきている。
ゴレイヌはキルアになら『大天使の息吹』を使って良いとしますが、ゲンスルーに使用するのは反対。
ビスケ「私は嫌いだからと言ってこのまま見殺しにしていいとは思いません。裁こうとも思いません」
なにげに重いですね。この言葉。
命をかけた戦闘であっても、勝負がついたらそこから先は別。
躊躇なく敵に『大天使の息吹』を与えようとするゴンたちに、ゴレイヌは根負け。
ゴレイヌはツェズゲラ組のものも合わせて所持していたカードをすべてゴンたちに提供することになっていたことを明かします。
そして、バッテラ氏がスポンサーを降りたことも。
その違約金としてゴレイヌは40憶を手に入れ、ゴンたちと山分けすることにしていたことを打ち明ける。
ええ人や。
はれて99種のカードをそろえたゴンたち。
そこで予想通りイベント発生。
No.000カードを優勝賞品としたクイズ大会が開催されます。
その最中、横たわるゲンスルーの肩にタッチして「ボマーつかまえた」と言う謎の人物。
その正体は除念師アベンガネ。
ゲンスルーの『カウントダウン』は彼の念獣が吸い取っていましたが、元の念が解除されるまでは念獣がアベンガネにまとわりつきます。
こうしていま解除の条件を満たしたので、念獣は消滅。
アベンガネはヒソカのもとへ。クロロの除念で大儲けが約束されている模様。
クイズ大会は見事ゴンが優勝。
でカード100種類コンプリート達成!
と、ここでゴンたちのコンプリートを嗅ぎつけて悪名高きベラム兄弟が現れます。
んが、ゴンたちはこれを一蹴。
戦闘を描くまでもない。
招待状を手にゴンたちはグリードアイランド城へ。
代表してゴンだけが入城。
ゲームマスターのひとりリストがお出迎えです。
彼に城の中の汚部屋へと案内されると別のゲームマスター・ドゥーンから『支配者の祝福』を贈呈される。
これは城と人口一万人規模の城下町が与えられ、住人は城主に絶対服従するというカード。
このカード、ゴンはどうしたんでしたっけ。
あたしゃ覚えていません。
それと褒賞の指定カード3枚を収納するバインダー。
ここでグリードアイランドという名称は、ゲームマスターたちのファーストネームの頭文字の集合だと教えられます。
G=ジン。(企画・総合演出などなど)
R=レイザー。(放出系魔法カード担当。兼、海賊のボス役。)
E=エレナ。(ゲームに出入りする際の説明役、兼侵入者の見張り。)
E=イータ。(同上。)
D=ドゥーン。(城の汚部屋の住人。役割は謎。)
I=
S=
L=リスト。(城の住人。役割は謎。)
A=
N=
D=
空白のとこは本編では紹介されません。
気になっちゃっいますな。
全員念能力者なんでしょうか。
島全体に結界のようなものを張る能力も必要でしょうし。
それがエレナとイータなのか。
オートで動く住人たちを具現化した能力者もいるでしょうし。
ともかくジンはグリードアイランドにも、そして褒賞の『支配者の祝福』の城下にもいないことがわかります。
そしてその夜は優勝者を祝福するパレードとお祭り。
やんや、やんや。
さて、
指定ポケットからゲーム外に持ち出せる三枚の呪文カード。
三人はそれをどれにするのでしょう。
ビスケが選んだのは『ブルー・プラネット』という宝石。
地球のように青く輝き、どの鉱物にも属さないという激レアなシロモノ。
ゴン・キルアは『一坪の海岸線』と『聖騎士の首飾り』。
しかしこの『一坪の~』は予め『擬態(トランスフォーム)』で指定ポケットカードに変身させた『同行(アカンパニー)』でした。
この擬態を『聖騎士の首飾り』で解いて『同行』に戻します。
ではなにゆえ『同行』を選んだのか。
『同行』は、詠唱者とその半径20m以内にいる人を、詠唱者が行ったことがある街、会ったことがある人がいる場所に飛ばすカード。
ゴンはゲームスタート時、まだ誰にも会ったことがない時点で、すでにバインダーでは『NIGG』なる人物と遭遇したことになっていた。
NIGGとはGING(ジン)のアナグラム。
つまり幼少時にゴンは、父ジンにつれられて一度グリードアイランドに来たことがあったのだろうと。
ゴンとキルアはビスケと別れ『同行』で「NIGG」のもとへ。
するとそこは湖のほとり。
満開に咲き乱れる桜の大木の根本。そこに釣り人がひとりたたずんでいます。
なんとカイトでした。
カイトはジンに連れられてグリードアイランドに来たことがあったといいます。
そのときジンがカイトを仮名NIGGで登録したのだろうということに。
ここでグリードアイランドの入退場担当エレナの独白です。
ジンに心のなかで語りかけます。
『同行』「NIGG」で飛んだ先をカイトのもとへと操作したのはエレナでした。
ジンに頼まれていたのです。
『同行』ならカイト。
『磁力(マグネティックフォース)』を使ったのなら俺(ジン)のもとに送れと。
理由は『磁力』で一人で来るなら、会ってやる。
しかし『同行』で仲間を伴って来るような根性無しなら、会うわけにはいかない、と。
でこのエレナちゃん。
巨大なコンピューターのような機械を操作していますが、たんなるオペレーターとは思えません。
彼女もまた能力者なのでしょうな。
たとえばシャルナークのケータイに相当するのが、このコンピュータールームとヘッドギアなんでしょうか。
能力の種類も規模もまったく違いますが。
というわけで、こでグリードアイランド編は幕を閉じます。
しかし同時に新たな章が幕を開ける。
カード&バトルの世界環からがらりと雰囲気がかわります。
キメラアント編スタートです。
始まりは、ヨルビアン大陸バルサ諸島南端に、一体の未知の生物が打ち上げられるところからです。
巨大な昆虫のようなその生き物は損傷が激しく、自らを『女王』と認識しています。
そして『王を産む』という使命のため、回復せんと手あたりしだいに生き物を摂食し始めます。
「もっと大きな獲物を」
ゴン・キルア・カイト。
三人はアイジエン大陸の中央、カキン国の奥地に居ます。
カキン国?
のちの暗黒大輪編、王位継承戦の国王ナスビ=ホイコーロの領土ですなー。
カイトはここでカキン国の依頼で生物調査をしています。
依頼内容は新種の発見と生態調査。
やはり好奇心旺盛な国柄なのです。
そしてカイトと行動を共にする6人の仲間たちとご対面。
彼らはみんなプロのハンターを志望しています。
スピーナ=クロウ。愛称スピン。風船ガムの女。
モンタ=ユーラス。愛称モン。コアラ顔の巨漢。
リン=コウシ。眼鏡のアジア人ぽい。ちょっと吃音。
スティック=ディナー。アフロだけど顔さわやかでヘラヘラしたおにいさん。夕飯担当。
バナナ=カヴァーオ。名前に反してヘタのついたイチゴみたいな輪郭。
ポドンゴ=ラポイ。ダッコちゃんみたいなお目目ぱっちり色黒で小柄な子。
ゴン・キルアはカイトたちの生物調査を手伝うことにしました。
このあたり、のどかだな~。
嵐の前の静けさ的な。
緩急が巧みですな。
いいハンターは動物に好かれちまう。
この名セリフはカイトのものでした。
して、例の未知の生物。
その損壊した一部が拾われて、ヨークシンのサザンピースに持ち込まれたという情報。
おなじみです。この街。
女王蟻。
下級兵を次々と生み始めています。
下級兵出産用の雌たちでしょうか。洞窟の天井に張り付いたおびただしい数の虫が、それぞれ繭のようなものをはらんでいて、そこから続々と怪物たちが生まれ落ちてきます。
この下級兵出産用の雌たちは、女王が産んだのでしょうか。
たった一匹で流れ着いたのですから、おそらくそうでしょう。
女王が産んだメルエムやザザンとの差はなんなんでしょう。
ザザンの軽んじられ方も気になるところではありますが、この名もなき出産用雌たちもまた女王にしか産めなかったはずですから、扱われ方の差に疑問が残ります。
あるいは、他の生物に産ませている?
繁殖方法は、摂食した生物がミックスされて産まれてくるという摂食交配。
それらを踏まえて、設定上の理屈が知りたい。
カイトら一行。
未知の生物の調査に乗り出します。
人間の腕ほどもある昆虫の肢が漂着した砂浜を調査。
肢はキメラアントの女王蟻のものではないかという結果が出ます。
第一級隔離指定種。
カイトの解説によれば、摂食交配は『産卵』によるという。
となると、洞窟の天井に張り付いている孕んだ虫そのものが卵なのでしょう。
しかしメルエムは本来ならば分娩で誕生する予定であったかの表現がされています。
世継ぎは分娩で、その他は産卵で、という産み分けができる生物なのでしょうか。
ちなみに産卵で生まれた蟻たちは生殖機能を持ちません。
哺乳類から魚類から両生類から、とあらゆる生物をミックスしていくスタイルだからこそ可能な繁殖法なのでしょう。
で、例の幼い兄妹の悲劇となります。
レイナとお兄ちゃん。
この記事は『再読』としての覚え書きなので、ネタバレで続けていますが。
この妹を守ろうとしたお兄ちゃん。
人間だったときの名前がわかりません。
この悲劇を機に女王は人間の肉の味をしめるのでした。
闇生