第五巻。
●ジン=フリークス
ハンゾーにのされたゴンが意識をうしなっているあいだに終了したハンター最終試験。
サトツさんが回想して解説してくれています。
不合格は一名というこのトーナメントでキルアはギタラクルと対決。しかしそれが長兄イルミであると知って様子がおかしくなるキルア。
どうやらキルアはイルミに対し圧倒的な恐怖を感じている様子で。
イルミはキルアを『熱を持たない闇人形』とみなしている。
だからお前に望みなんてないはずだ、と。
希望なんてあるわけがないと。
キルアはこれに反論して、ゴンと友だちになって普通にあそびたいと。
かーーーーーっ。おっさん、読みながら照れちゃいます。
しかしこれにイルミは『お前に友だちなんかできない』と断言。
おっさん、読みながらイラっとしちゃいます。
殺せるか殺せないかを唯一の価値基準として育てられたお前は、いつかゴンを殺したくなるとまで言い切るのです。
イルミの弟への愛情はそうとう歪んでおり、キルアにとって友だちという存在は不要なのだから、そんなゴンは殺せばいいと結論づける。
なんとキルアはこれに対して何もいえません。
ひたすら恐怖におびえているだけ。
それは『勝ち目のない敵とは戦うな』という兄の教え(すりこみ)によるもので。
ということでキルア戦意喪失でイルミ不戦勝ー。
でその直後、レオリオ vs ボドロの試合になぜかキルア乱入。
で、背後からボドロを殺害。失格に。
哀しいのはボドロという武道の達人キャラでしょう。
なにも悪くないのに、メインキャラの八つ当たりとしてやられちゃいました。
しかも試合に関係ない人に、背後からですよ。
さすがに引きます。
これもイルミによる操作ではないかとゴンは疑っております。
ちなみに心なくも殺した相手に対するキルアの想いというのは、描かれません。
のちにゴンとの交流を経て、思いやりというものを学んでいくことになりますが、そこまではまだ成長できていない。
プロの暗殺一家の三男として育てられたキルアですが「元暗殺のプロ」と後に「元」をつけて名乗っているので、自分では普通になりたいという願望がある。
で、兄貴たちとは違う道を行くという決意もある。
つーても、まだ少年です。
被害者を弔う意識が芽生えるのは、まだまだ先でしょう。
閑話休題。
試験失格となってキルアは姿を消します。
実家にこもっていると知って会いに行くことにするゴン、レオリオ、クラピカ一行。
ゾルディック一家の屋敷があるのはパドキア共和国デントラ地区ククルーマウンテン。
地元では暗殺一家として有名で、屋敷は観光バスのルートにまでなっている。
そのバスガイドの説明によれば、ゾルディック家の構成はこうなる。
10人家族。
曽祖父
祖父
祖母
父
母
で五人兄弟。
のちに本編に登場する家族をこれにあてはめると
曽祖父=マハ
祖父=ゼノ
祖母=?
父=シルバ
母=キキョウ
で、イルミ、ミルキ、キルア、アルカ、カルト。
ただこのバスガイドの説明とは異なる説もあって。
それによればマハは曽々祖父だと。
で曽祖父がネテロの暗黒大陸にリンネと共に同行したジグではないかと。
しかしですな、
どうも祖母の位置がほったらかしなのが気になってしまうのですな。あたしなんかは。
冨樫がキャラクターの性別設定に柔軟なのはよく知られていることで。
だいたいジグが男だと、どこで表現されたのか。
見た目で勝手に決めつけるな、は冨樫作品では常道。
センリツが女だと知って驚いた人は少なくない。
アルカとカルトもしかり。
となれば祖母がジグという可能性はないのだろうか。
ついでに思うのですが、
ネテロがここぞというところで選ぶ同行者の選択。
これもおもしろい。
キメラアント編では十二支んではなく、モラウとノヴでした。
若きネテロの暗黒大陸冒険ではグルメハンターのリンネとジグ。
そこでグルメハンターを連れて行きますかと。
話をもどす。
まずキルアに会うまでが難関でした。
守衛ならぬミケの掃除係ゼブロとのくだり。
電話ごしに執事ゴトー初登場。
試しの門を通過するためのトレーニング。
三年前、賞金首ハンターら百人をたったひとりで全滅させた執事見習いカナリアとの対面。
これに対してゴンは「友だちにあいたいだけだ」というド直球の意地のみで対決。
キルアの母と末妹(弟?)カルト登場。
次兄ミルキ登場。
弟キルアを拷問して汗かいてますが、このミルキも暗殺のプロなんだよなあ。
このあともミルキの戦闘シーンが描かれたことはないけれど、ヨークシン編でゲーム・グリードアイランドを手に入れるために父親に借金するくだりがあった。
その条件が暗殺だったはず。
おやじ、〇〇人殺すから〇億貸して、みたいな。
どういう闘いをするのでしょうか。
父シルバ登場。
どうだ、とばかりのみなぎる父性。
父とキルアの対話のテーマは友だちについて。
シルバは子どもの話をきちんと聞いてやる良いお父さんだ。
父を前にしてキルアは、あどけない子供の貌になってます。
イルミを前にしたときの表情とはまったく違う。
父を尊敬しているのでしょう。
絶対に仲間を裏切るな。
父シルバとそう誓約するキルア。
一方、
カナリアとのくだりを経てゴンたち一行は執事室でキルアを待つことに。
ここで執事ゴトーとのコイントス・ゲームのくだりがありましたな。
キルアとめでたく再会した一行は、ここで一旦別れます。
クラピカは幻影旅団の情報を握るヒソカからの誘いで九月一日ヨークシンに。
ヨークシンでは世界最大の地下オークションが催される予定で、緋の眼もまた出品される。
しかしそれまでにまだ時間があるため、オークション参加の資金繰りとして雇い主を探すとのこと。
レオリオは故郷へ帰って国立医大受験のためのお勉強。
ゴンとキルアもまた目的地はヨークシン。
そこではゴンの父への手がかりとなるゲーム『グリードアイランド』がオークションに出品される。
しかしやはり資金が無い。
そのため、まずは天空闘技場で資金繰りをかねた修行を計画。
ゼビル島での借り。ヒソカにワッペンを叩き返すには、まだまだゴンたちの戦闘力は拙いのである。
その闘技場でズシ君初登場でございます。
闇生