壁の言の葉

unlucky hero your key

ハンタ再読。No.7

 七巻目。
 副題『これから』

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HUNTER x HUNTER No.7


 天空闘技場、カストロ戦直後のバックルームのヒソカ
 幻影旅団のマチに、失った腕の縫合手術をしてもらってます。


 念糸縫合!!


 傷跡は『薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)』で補修。
 ここでヒソカの二つの能力『薄っぺらな嘘』と『伸縮自在の愛(バンジーガム)』及び、そのふたつの能力をつかったカストロ戦の解説が始まります。
 これは作者による解説で、ハンターハンターではひょっとして初めてかもしれない。←ここ重要。
 これまでの大概の解説シーンは、登場人物の独白や回想で漫画的に処理されてきました。
 それがここへきて天の声、つまり作者による解説に。
 作者による解説はこれ以降、少しずつ増えていったと記憶します。
 そして、それがある種『作者』というキャラとして完成し、芸の域に昇華するのがキメラアント編の後半。
 長い解説が煩わしく感じることも度々ありましたが、王 vs ネテロ戦はその解説あってこその芸となっていました。
 言葉のチョイスがモノマネしたくなるくらいで、解説の多用化はおそらくは『カイジ』に影響されているのではないかと思うのですが、どうでしょう。


 マチは団長クロロからの伝言をして退場。
 ここでヒソカのシャワーシーン。
 背中に幻影旅団員であることを示すナンバー入りのタトゥが……。
 しかしこれは『薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)』による、嘘のタトゥ。
 となると、ここで疑問が沸き起こるのですな。
 幻影旅団は12人。
 それぞれに番号がふられていて、団員が死ぬなどで欠るとそこに新たな団員が補填される仕組み。
 それは誰がオーディションしているのか。
 団長クロロが選考しているのではないのか。
 そして、団員の証であるタトゥは、誰が、もしくはどういう過程で入れるのか。 
 というのも、ヒソカは偽のタトゥで潜入してますよね。いつかクロロと戦う目的で。
 その嘘について他の団員は気づいていない。
 ということは、クロロがヒソカに団員No.4の席を与えたのではないということ?
 では、どういう過程で団員に選出されるのだろう。 
 流星街の長老あたりが決めるのだろうか。
 そうだとしても、それを団長に報連相していないのも、どうなんだか。
 元No.4を始末してヒソカが新No.4として入団を認められたとしても、クロロに「じゃあどっかで蜘蛛のタトゥ入れてきて」とお任せになるようなものなのか。
 (元No.4については劇場版で触れられているそうですが、あたしゃ未見。)
 タトゥが偽であれなんであれ、団員No.4として3年ほど活動して、おそらくは収入もあったのだから、それをニセと言えるのかどうか。
 タトゥに制約でもあるのだろうか。
 そのあたりが曖昧だと偽団員のマジタニの偽物っぷりも褪せてしまいます。


 気になることがあって、
 暗黒大陸編で、拘束された女性の背中にツェリがタトゥを入れさせてますね。
 これがどう見ても蜘蛛のデザインに見えるのです。
 ツェリはクルタ族の緋の眼をコレクションしており、
 その『狩り』の仕事をしたのが旅団でした。


 時を戻そう。
 もとい、話をもどそう。
 怪我を完治させたゴンは、ウイング指導のもとズシ、キルアらとともに修行再開。
 コマ使いのギド、片腕能面のサダソ、車いすの電気鞭使いリーベルトの新人つぶしの三人は、ズシをさらって脅迫するなどのきったねえ手をつかいやがります。
 んが、
 これにキレたキルアが単独行動で除外。
 

 59話。
 その表紙絵がクラピカが木の上で自身の伸びた髪を気にしているカット。
 これ修行中らしい。 
 のちに師匠イズナビとの修行中のひとコマだとわかるあたり、再読にも配慮されているようでありがたし。
 この時点でそこまで構想されているという証ですぞ。
 で60話の表紙絵がお勉強中のレオリオ。


 痛快に新人つぶしトリオをやっつけたゴンとキルアは、念の修行を続行。
 ここで念の属性と相性をあらわす六性図がはじめて紹介されます。 
 例の六角形の頂点の強化系から始まって時計回りに変化系、具現化系、特質系、操作系、放出系となるアレです。
 強変具特操放。
 そしてご存じ水見式。
 ゴンは強化系、
 キルアは変化系、
 ズシは操作系と判明。
 
 あ。
 ここでウイングが心源流の師範はネテロだと明言しました。
 ならばウイングを「ひよっこ」呼ばわりしていたとのちに暴露するビスケは格上の大先輩、兄弟子ならぬ姉弟子といったところでしょーか。 
 ハンゾーとクラピカも別の師範代のもと念を習得したことが知らされる。
 はい、
 というところで裏ハンター試験をクリア(念能力習得が最低条件)したゴンは、ヒソカと対戦。
 ゴンの乾坤一擲でゼビル島からの因縁となったワッペンを突き返します。
 ここでヒソカ流オーラ別性格分析が紹介されてます。
 強化系は単純一途。
 変化系は気まぐれで嘘つき。
 具現化系は神経質。
 特質系は個人主義者・カリスマ性有り。
 操作系は理屈屋・マイペース。
 放出系は短気で大雑把。

 放出系のフランクリンが短気で大雑把とは思えませんが。
 ブロヴーダは、なるほどそうかな。


 ちなみにこの闘技場での一般観客および実況アナウンサーには念が見えないそうな。
 なぜゴンがみずからヒソカの拳に引き寄せられるのか、バンジーガムが見えないので観客には理解できません。
 圧倒的実力差をみせつけられてゴンは敗北します。
 しかし当初の目的、ヒソカを一発ぶんなぐってワッペンを突き返すことは達成しました。
 キルアとふたりで天空闘技場をあとにします。



 闇生