壁の言の葉

unlucky hero your key

ハンタ再読。No.19

 19巻目。
 副題『NGL』。



 カイトたちはキメラアントの女王の居場所を探しています。
 キメラアントの女王は着々と兵隊蟻を増やし、大量の餌を収集させていることでしょう。
 それもできるだけ質の良い餌を。
 それは人間の肉にほかならず。
 これが摂食交配という特殊な繁殖方法によって人間+動物、もしくは+昆虫、+爬虫類、+魚類などとのアイノコを産みだすことになる。
 発見された肉体の一部から想像される女王の体長はおよそ2m。
 それほどの巨体の女王蟻が繁殖期をむかえたならば、食欲は村や町単位の集団失踪事件をおこすほどと考えられる。
 ところが、カイトたちが調査してみるにそんな事件は報告されておりませんでした。
 
 女王の肢(腕)の漂着地点付近の海流データをもとに、それがどこで切り落とされたものかをしらべます。
 可能性が高いのはミテネ連邦を含むバルサ諸島全域とわかりました。
 ミテネ連邦の西端には『NGL(ネオ・グリーン・ライフ)』があり東端には『東ゴルトー共和国』があります。
 キメラアントの女王がこの2つの国の中で繁殖しているのだとすれば、まず情報は出てきません。
 なぜなら前者は機械文明をすべて捨てて自然のなかで生活をすることを厳格に守っている国。
 通信手段は主に手紙。
 交通手段は主に馬。
 意図的に文明の利器を持ち込んだ場合は極刑。
 人口217万人。
 そんな国にキメラアントの女王が流れ着いたとしたら彼らはどうするか。
 おそらく放置するだろうと、カイト。
 かつて強力な伝染病が蔓延したときも「自然のままに」と国際医師団の入国を拒否したくらいですから。
 このあたり、のちに登場するNGL創設者であり裏の王でもあるジャイロの方針として覚えておくとよいですね。
 むろん、これらはあくまでNGLの表の顔としての情報ではありますが。
 そして後者は現実の『北』をモデルにしたような独裁国家です。


 キメラアント。
 女王からの通信で師団長が招集されます。
 女王は言葉を発せず、相手の脳内に通信して意志を伝達します。
 しかし師団長たちは人間とのアイノコで、すでに言葉を使っている。
 師団長たちを前に女王は宣言し命令します。
 これより王を産む準備に専念する。
 ついては1日50体の人間を献上せよ、と。
 この場面でたいせつなのは、師団長のひとりが仲間を代表して名前をもつ許しを乞うていること。
 自己顕示欲。これは摂食交配による人間由来のものなのでしょう。
 集団のいちパーツとしてではなく、他者と区別された自己を持ちたいという意思表示。自己主張。
 その区別のための記号としての名前が、いる。
 女王もまたその考えにひかれて王直属の三戦士に命名することを考えます。
 

 カイトら一行。 
 NGLの国境に到着しました。
 国境の河をまたいで生える二本の大木。
 その幹をくりぬいて設けてあるのが検問所兼大使館。
 そこでカイトたちは入国申請をします。
 理由は「仕事(ハント)」。
 入国するには機械類、貴金属、石油製品、ガラス製品を取り外すことが強制されます。
 メガネもダメ。
 衣服も化学繊維やプラスチックが含まれているものはダメ。
 体内のボルト、インプラント、金、銀、シリコンなどその場で取り外しができない人は、入国禁止。
 これらの条件に見合ったのは、5人。
 カイト、ゴン、キルア、ステック、ポドンゴ。
 五人は監視付きで入国。
 キメラアントの巣を探す旅をはじめます。


 キメラアント。
 のちに物語上重要な役割を担う元殺し屋のコアラ登場です。
 名前はあきらかにされません。
 人間はすべて生きたまま女王に献上しなくてはならないという掟をやぶり、師団長であるメレオロンに口応えするあたり、あきらかに『個』を持っています。ふてぶてしいまでの。
 彼ら言葉を持つキメラは名前を欲しがったものたちです。
 それは人間ならではの自我というもの、つまり人の要(言葉)を残されたものに限ってみられる傾向ではないかと
 そして名前を持つことによって『個』の増長が始まったともいえるのかもしれません。
 ある意味、もっとも人間らしい『個』の獲得こそが、キメラ単体の強化にもなり、やがて軍団(組織)の弱点になっていくというのは皮肉です。
 この先に生まれる王もまたおなじ。
 彼にとって人間は食料にすぎなかった。
 しかし間もなくレアものの肉とそうでない肉との差を知り。
 同じ肉でも違いがあると理解する。
 そして人間コムギとの出会い。
 人間ネテロとの闘い。
 その他大勢の肉とはまったく異なる個人を、そこに見出しました。
 コムギはコムギ。代用がありません。

 では、俺は?

 他と分かたれた個人とは?
 それを示す名前とは?


 ここで下級の兵隊蟻たちが殺されるという事件が頻発。
 ひとつは銃器によって。
 死体に残された弾丸によって判明しました。
 もうひとつのタイプは、頭部破壊。
 目撃した別の下級兵によれば、人間がなにか撃つようなマネをしたら「何も飛んでこなかったのに」兵が頭を破壊された、といいます。
 これはのちにわかることですが、念能力ですね。
 下級兵には念が見えない。
 キメラアントを調査するためにNGLへ侵入した者は、カイトだけではありません。
 はい。再読なのでみなさんもおわかりでしょう。
 ハンター試験でゴンたちと一緒に合格し、ホームコードまで交換したポックルの仕業ですな。
 そういやホームコード(この世界でのメルアドやラインの交換みたいなものだったと思う)を交換したものの、結局ゴンとポックルの間には何のやりとりもありませんでした。
 
 レイナは俺が守る。

 この事件がキメラの繁栄をおびやかすと見たコルト(師団長たちを束ねる立場?)は、人間たちに憎悪をたぎらせます。
 しかし彼は人間だったころの記憶に意識をジャミングされているもよう。
 レイナって誰だ。
 自覚がない。
 レイナの件はまさかの展開で回収されましたが、コルトはどうなんでしょう。
 現行の暗黒大陸編では、触れられる気配もない。
 記憶を取り戻せたのか。
 ふるさとに帰ることができたのか。
 レイナに再会できたのか。


 で、ポックル。
 蜂使いのポンズちゃんと組んでいました。
 キルアのハンター再受験の会場にその姿がありましたが、合格はキルアのみでしたので、この時点ではアマのハンターということでしょうか。
 プロのカイトがアマのスピンやモンを連れて活動しているのと同じことなのでしょう。
 ポックルたちは他の五組のハンターチームと連絡を取り合いながらキメラアント調査を行っていたようです。
 その五組との連絡も途絶えました。
 そしてポックルたちも急襲されます。

 『七色弓箭(レインボー)』、「赤の弓!!」
 
 ポックルは見事にキメラを射殺しますが、遅れて蜘蛛と人間のアイノコ、パイク登場。
 つづけざまに放ったのは最速の「橙の矢」。
 これをやすやすとキャッチされてしまう。
 パイクには念が見える。そして言葉も使う。
 尻から蜘蛛の糸を射出して仲間の『パルダァ』を餌食に。
 ポックルの「パルダァア!!」の叫びが哀しいです。
 てか、たったこれだけしか登場しない端役にも名前を付けてあげるところ、ほんと感心します。
 仇を討たんと次なる矢を繰り出そうとするポックル。
 そのうなじを背後からサソリの尾の毒針が「ドスッ」と刺しました。
 
 セクシー系ヒール役の女子プロレスラーのようないで立ちでザザン様登場。
 サソリの尾は彼女の尻尾。
 はい。 
 王より先に生まれた女子であり、自称女王です。
 のちに誕生する王と比べると、軽んじられてますなー。
 王直属の三戦士ピトー、ユピー、プフと比べてザザンに仕えるのは初老のドMキャラ、パイク。
 訛っていて頭も少し足りない。
 ポンズはひとり隠れてこの様子を見守っておりました。 
 蜂に救援要請メッセージをのせて放ちます。
 強いオーラを纏っているハンターのもとへと。
 そして自身も脱出すべく国境をめざすのですが……。


 蜂に託したメッセージはカイトのもとへ。
 これを読んだカイトは、敵は最高レベルの危険生物とみました。
 カイトは未曾有の生物災害(バイオハザード)を予感してスティックとポドンゴを国境へ返し、ハンター協会へ応援要請をするよう指示。
 自身はゴン・キルアを引き連れてポンズからのメッセージを頼りに現場を目指します。
 その行く先で、枯れ木に家畜を串刺しにする早贄(はやにえ)を発見。
 モルモットとうさぎのアイノコ、ラモット登場。
 言葉を話します。
 早贄はこのラモットが誇示する自分の餌だったのです。
 自分の餌を奪われると考えたラモットはゴンたちに襲い掛かる。
 これを見たカイトはこ、小脇の空間から見えない武器をとり出すようなポーズをします。

 ユラ~

 彼の能力『気狂いピエロ(クレイジースロット)』だったのでしょう。
 しかし気が変わったのか、やめます。
 距離を置いてゴンとキルアにまかせます。
 この程度の敵が倒せないようなら、足手まといだから帰れと。
 言われて闘争心に火がついたふたり。
 そのオーラの増加をラモットは「急に強くなった」と感じます。
 天然ながらも念を感じることができるようです。
 まずはゴン・キルア二人かがりの体術。
 からのー、キルアの『落雷(ナルカミ)』。
 ひるんだその腹にゴンの『ジャンケン・グー(この時点でもまだ技の名前はついていません。)』のクリーンヒット。
 空高くすっ飛ばされるラモット。 
 そこに翼をもつ別のキメラアントが現れてラモットをキャッチして連れ去りました。
 コルトです。
 連れ去られながらラモットは叫びます。
「キサマら!!必ず喰ってやるぞ!!」
 攻撃が効いていません。
 
 巣に帰ったラモット。
 ジャンケン・グーをくらった影響に苦しみ悶えては、あいつら喰ってやると復讐に燃えています。
 これをコルトは冷静に、殺すのはいいが喰うのはダメと叱ります。
 人間の肉はすべて女王に献上する掟です。
 しかし、ラモットによれば、自分で喰ってる師団長が沢山いるとのこと。 
 のちに登場するチータ男ヂートゥやライオン男ハギャ(のちにレオルに改名)に至ってはやりたい放題だといいます。
 ハギャに問いただすと、理由は「楽しいから」。
 そしてノルマは達成しているからべつにいいじゃんと。
 余暇ですることは自由じゃんと。
 はい。彼らのなかにもいよいよもってのっぴきならない『個人』というものがのさばり始めている。
 兵隊蟻を束ねるコルトにとって、兵の個性化は問題なのです。 
 
 探索と調査をすすめるカイト・ゴン・キルア。
 壊滅をくらって無人となった村で銃器を発見。 
 キメラへの抵抗に使ったようです。
 たしかNGLは銃器の持ち込みを禁じていたはず。
 さらに巨大な麻薬工場を発見。
 巷で流行している飲むドラッグDの製造工場でした。
 これがNGLの裏の顔。
 国営です。
 このNGLの裏の顔がキメラによって壊滅しているということは、ボスは逃げたか、食われたか……。
 はい。
 ジャイロのことですね。
 この時点ではまだ登場しておりませんが。 
 のっとられた麻薬工場の奥から三匹のキメラが登場。
 とらえた人間をリードにつないでペットにしています。
 リーダーらしき一匹はユンジュ。半人半獣のケンタウロス風の蛇舌男。 
 女と蚊のハーフ。
 百足(むかで)のように腕を何本も持つ男。
 ユンジュはカイトと。
 蚊はキルア。
 百足はゴンと戦います。
 ガードの固い百足にゴンはジャンケン・チーを繰り出して、真っ二つに。
 キルアは不意を打たれて蚊女の尻尾の針で毒を受けますが、

 毒……効かない体質なんだよね。

 暗殺一家に生まれて英才教育されてきましたからね。
 意に介せず蚊女の首をひとひねり。
 と、気づいた時にはユンジュは倒されています。
 カイトの手には巨大なライフルのような武器。
 『気狂いピエロ(クレイジー・スロット)』の「4」。
 スロットの番号は運まかせ。
 出た番号の武器をちゃんと使わないかぎり消せないし、代えられない。
 この制約もけっこうなものなのですよね。
 状況によっては裏目に出ることもありえる。
 このあとに出る大鎌なんて、せまい屋内戦では扱いにくくて不利でしょう。
 それもこれも例の『絶対に死なない』を成立させるための制約なんでしょうか。
 この先カイトたちの前に立ちはだかるのは、人間の肉の味を知り、なかでも能力者の肉をレアものとみなして狙うキメラアントたち。
 ユンジュの敗北を知って敵はレアものだとハギャ(レオル)は見なします。


 ここでキメラアントの組織構成をカイトチームのリン=コウシが解説。
 女王を頂点として直属に護衛隊。
 その配下に師団長。
 して兵隊長。
 戦闘兵、雑務兵というピラミッドを成しています。
 しかし王が誕生すると、
 直属護衛隊は王のものとなって独立。
 女王は城に永住。
 一定のサイクルで王を産む。
 ということは子を産むごとに直属護衛隊を結成するのでしょう。
 王は放浪して交配をくり返し、次世代の女王を孕ませる。


 さて、ゴン達の攻撃をくらって闘病していたラモット。
 治癒しただけでなく、念に覚醒してしまいました。
 ゴンたちの精孔をウイングが発で強引にこじ開けたように、ゴンのグーがキメラの精孔を開いたのでしょう。
 ラモットは強力な生命エネルギーに満ち溢れています。
 これを見たコルトはラモットに自らを思い切り殴らせました。
 すさまじい破壊力。
 ラモットはオーラを自在に動かせることに気づきます。
 それを見てペギーは、力の使い方を知ることができれば、我々生まれつきの力と相まって強力な武器にすることができると。
 コルトも同じ考えらしく、
 数日前にザザンがレアものをとらえて献上してきたことを思い出します。
 つまりポックルのことでしょう。
 このレアもの、貯蔵庫にいるはずだから保護しろとコルト。


 カイトら一行。
 その動きを把握する師団長ハギャ(のちのレオル)はカイトらをレアものと断定。
 直属兵にこれを捕獲せよと指令を飛ばします。
 
 さて、順番と殺り方を決めようか。
 
 先を急ぐカイトたちの前にガマガエルのようなキメラアントが立ちふさがります。
 ハギャ直属の兵隊長でしょう。
 そしてその配下と思しきキメラアントたちがぐるりとカイトらを囲みます。
 ガマ兵隊長曰く、
 標的の君たちには選択権が3つある。

 1、戦う順番を決める。
 2、逃亡を試みる。
 3、あきらめて我々に捕まる。

 1ならキメラの誰かとタイマン。勝てば生き残るチャンスもある。
 2はおすすめではない。我々の機嫌を損ねるし、その結果捕まって長く苦しむことになる。
 3は2以上に我々を怒らせることになるからこれもおすすめできない。
 むろんカイトはこの遭遇をゴンたちにとってのチャンスとみます。
 ジャンケンで勝ったゴンが先にキメラと勝負。
 対するキメラ側はくじ引きで決まったアルマジロ風のバロ。
 鎧のような外皮に包まれた身体を団子にして突進してくる。
 ゴンはこれをかわしますが、バロは巧みに尻尾で舵を切って追尾してくる。
 バロは言います。

 人間を殺す一番の理由は、
 楽しいからだ。
 口から内臓が飛び出る時の音が好きなんだ。
 下痢にそっくりでかなり笑えるぞ。

 下品なやつです。
 こーゆーのゴンが許すわけがない。
 真正面で受け止めると、

 レイザーのスパイクは
 こんなもんじゃなかったぞ!!!

 と締め付けて、
 逆に内蔵を口から「ブピョッ」と飛び出させた模様。
 お次はキルア。
 サイと馬のアイノコのようなキメラと戦うことになります。
 が、あっけなく勝利。
 戦闘は省略されました。 
 そしてお次はカイト。
 『気狂いピエロ(クレイジー・スロット)』を取り出して、出た数字は「2」。
 「2か。ハズレだ」とカイト。
 例の大鎌です。
 カイトは「3秒後に上に飛べ」とゴンとキルアにつげると、
 大鎌を片手で構えて『ゆら…』と柳の枝ように立ちます。 
 
 『死神の円舞曲(サイレントワルツ)』

 この大鎌で使える唯一の技で、
 周囲の敵を樹木もろともなで斬りにするという大技。
 そしてきちんと使わないと消せない。
 カイトはゴンに言います。
「これから先同じような修羅場がつづく。
 敵のことを考えていたら乗り切れんぞ」
 ゴンはバロとの戦いの前に、
「別に負けても死ななくていいじゃん」 
「“まいった”で済むなら君は助かるよ」
 と交渉していたのです。
 カイトが危惧するのはそのゴンのやさしさでした。
 ゴンは「仲間をゴミっていう奴らに同情なんかしない」
 と反論しますが、仲間想いの敵がいたらどうするんだ、とカイトは危ぶみます。


 さて、ザザンが女王に献上したレアものを探して貯蔵庫に来たペギーとラモット。
 (ちなみにザザンは母女王とは別に王国をつくる野望を抱いていますが、レアもの献上の義務は守っているのですな。)
 キメラは神経毒をさかって獲物を生きたまま貯蔵するそうです。
 なのでレアものは逃げられるはずがないのですが、いない。
 なんとポックルは奥歯に解毒剤を仕込んでいました。
 これが辛うじて効いて、どうにか他の獲物の陰に隠れることができていた。
 ラモットは自身からあふれ出る大量のオーラに、自らが王になれるのではと野心を抱きます。
 ところがそれを圧倒する強力で邪悪なオーラの接近を、背後に感じました。
 ふりむくとそこに女王直属護衛軍、三戦士のひとりネフェルピトーが。
 ラモットは一瞬で格の違いを知ります。
 その禍々しいオーラに、潜伏中のポックルの絶が揺らいだのでしょうか。 
 ピトーはレアものの潜伏を見抜いてラモットに、
「どうして骨の下に生きた人がいるのかな?」
 あやうしポックル。


 師団長ハギャ(レオル)。
 直属の兵隊たちがカイトたちにあっさり敗北したのを知って、退却をきめます。
 いまの俺たちでは倒せない、とのこと。
 学習すること、それが現在の武器。などとなかなかに頭のいい連中ですな。
 

 ピトー。 
 ポックルはあっさりと捉えられていました。
 開頭され、脳をいじられて念能力について尋問されています。
 系統と水見式など、これによって念についての知識を得たキメラたち。
 ピトーはラモットに水見式をさせます。
 コップの水があふれたので、結果は強化系。
 ピトーはコップの水の水面に浮かせた葉が枯れたので、特質系。
 必要なだけ情報を得るとポックルは女王に献上すべく肉団子にされます。


 ポックルの記憶を持つキメラは生まれなかったのでしょうか。


 ピトーは全師団長、兵隊長を招集し能力の授与式をおこないます。
 念に開眼したラモットがひとりずつ殴って精孔をむりやり開いていきます。
 数日前にラモットに自身を殴らせたコルトも、傷が癒えて精孔が開いた模様。
 そしてピトー。
 自分の強さを確かめに城の外壁に。
 数キロ先からこの危険生物の強さを感じたカイトはただちにゴン・キルアに「オレから離れろ」の指示。
 カイトのこの能力は円でしょうか。
 相手の円とその強大さを察知しての反応でしょうか。 
 ピトーはひと跳躍でカイトに急迫。
 カイトの右腕を奪います。
 ピトーはゴン・キルアを一瞥しますが、これを相手にせずカイトに正対。
 ゴン、激昂して戦闘態勢に。
 咄嗟にキルアがそれを背後から殴って気絶させます。
 カイト「キルア、いい判断だ。そのままゴンを連れて逃げろ」
 カイトは左手に『気狂いピエロ(クレイジースロット)』。
 出た数字は3。
 猫の手のようなおよそ武器には見えないシロモノ。
 これをどう使うのかは、結局描かれませんでした。
 カイトにとって当たりなかのハズレなのかも不明。
 他の数字についても、あきらかにされないままです。
 

 ゴンを背負っていったい何日走り続けたのでしょう。
 キルアは国境にたどり着きます。
 最初の応援部隊(討伐部隊?)ネテロ会長とモラウ、ノヴが到着。
 キルアがネテロ会長に最後に会ったのは念を覚える前。
 念を習得したいま、キルアはネテロの背後に千手観音のようなオーラを見ます。
 (というとはこの観音は、具現ではないということか。)
 それでもピトーには勝てる気がしない、という感想。
 
 ここでモラウが重要な発言。
 一見したオーラの総量の多寡など気休めにもならない。
 勝敗なんか揺蕩(たゆた)ってて当然。
 それが念での戦闘。
 相手のオーラに気圧された時点で、お前は失格。敗者以下だ。→奇しくも、ノヴがそうなりますよね。
 ネテロはゴン・キルアを試験します。
 中途半端な戦力はかえって足手まといだからと。
 最寄りの街に刺客を二人放ったから、それを倒して来いとのこと。
 猫の手はいらん。必要なのは強者のみ!

 この「猫の手」がカイトのクレイジースロットの3番に繋がっているのか、どうか。
 そして、いまだに話題になりますが、
 ネテロが最初に選んだメンバー、モラウとノヴ。これは最善策だったのかどうか。
 ネテロが子飼いにしてきたと思われる『十二志ん』からではなく、むろん念使いの五本の指に入るジンでもなく。
 あるいは逆か。
 自身亡き後の世界を託すべき仲間は、連れてこなかったとも考えられる。
 ゴンはやがて意識をとりもどし、カイト奪還をキルアと誓います。


 んで、
 ピトーvsカイト戦の戦闘は描かれず、例のあのコマとなるわけです。



 闇生