花咲~初狩。
砕石工場を抜けたとこ。
中央本線の踏切をわたると『聖護院道興歌碑』なる石碑がある。
この道興さんは室町時代のお坊さんだそうで、当時の関白の子というからいわゆる高貴な血筋といってよいのかな。
あの時代、一族のなかから後継者がきまると、争いごとをさけるために他の兄弟を出家させるパターンが珍しくない。
つまり権力に欲はないですよ、てなアピールですな。
このお坊さんもそんなこんなで仏門に入ったらしいのだが。
歌碑なんてものが遺るということは、歌人としても名をはせたのかもしれない。
などと安直に思いがちだが、当時は歌以外に内心を吐露したり表現したりする術もなかったのではないかと。
それゆえ歌が市井の庶民に至るまで身近なものとなり、それが万葉集などに結実するのだろうと。
つらつら。
まあ、歌に詳しくないのでね。あたくは。
歌碑は1806年の建立。
歌碑の横には『下初狩宿』の標柱。
そして下初狩本陣。
見えにくいが、正面に建っているのが作家『山本周五郎生誕之地』という石碑。
初狩駅前交差点を通過。
10時40分。
まだまだ時間がある。
宮川橋。
宮川にかかる橋から、山頂あたりだけ見える富士が有名だそうで。
人呼んで「宮川橋の一目富士」。
手前の山と山のあいだにちらっとだけ。
わかります?
このチラリズムが、当時はうけたのでしょうな。
丸出しよりずっと粋だという感覚に違いなく。
いまでは手前に家も増えたろうし、
アンテナ塔のようなのもあるので風情はその当時とは違うのでしょうが。
つづきます。
☾☀闇生★☽