壁の言の葉

unlucky hero your key

仲人の色。

アメリ

 おっと、なにやってんだ。俺。
 クリスマスにちなんだことを、と書き始めて、気付いたらジェフ・ベックを語っておるではないか。
 ま、いいや。
 インストの、ギター・ロックの大名盤ですから。
 でもってフュージョンの、しいてはJAZZへの入り口にもなるでしょうから。
 知ってて損はないと思う。


 以下、
 追記として。


 でね、
 ほんとはね、映画に触れたかったの。
 ジャン・ピエール・ジュネ監督の大ヒット作『アメリ』。
 この映画の愛らしさは、いろんなところで語られているはず。
 だからストーリー的なところは、はしょるよ。
 身近な人々への好奇心と想像力。
 そこにユーモアとささやかな演出を盛り込む人生の愉しみ方というのは、それすなわち優しさでもあるわけで。
 つまりは、日々のちっぽけな事件をおもしろがる心の弾力だ。
 その大切さを、この映画からは感じることでしょう。


 なんてことを、ここでは置くぞ、と。


 観た人にもあらためて注意して鑑賞していただきたいのは、実は画面の色彩なのである。
 物語にクリスマスはかかわってこなかったはずだが、色使いが全体にそれなのだ。
 深いグリーンと、レッド。
 それは主人公アメリの住む部屋の壁に。
 アメリの服に。
 川面に映った木々に。
 いたるところに配置されてあるからチェックされたし。


 一見するとこの二色、実に相性がよろしくないのだな。
 どこか不安定な印象なのである。
 だから配置が実に難しく。
 さながら、互いに惹かれ合っているのに、すれ違ってしまう不器用な男女のようだ。


 けれどね、
 監督はこの小さな物語の最後に、この二色を結びつける彩色を仕組んであるのだな。
 それがゴールド。
 グリーンちゃんとレッド君をゴールドさんが結ぶわけ。
 金を添えられると、緑と赤は途端に落ち着いて…。
 ね。
 クリスマス・カラー。
 仲直りの色なのだ。


 そういう愉しみ方も、映画にはあるのです。
 今宵、金色の至福に抱かれて眠るがよいぞ。






 ☾☀闇生☆☽

 
 え? 
 俺?
 あたしゃ酔っ払って寝ちまうぞっと。
 Zzzzzz……。