壁の言の葉

unlucky hero your key

嫉妬っ。

The City of Light/HASYMO


 ゴミ出しの道すがら、ふと路次で見上げると。
 雲の形といい、青の加減といい、今朝の空は思い出を絵に描いたようで。


 まったく。


 HASYMOのシングル。『The City of Light』を電車で聴く。
 なんなんだあのタイコのぎもぢよさは。
 ゆるぎの無い確信で、ツボのみを踏んでいくベースの貫録は。
 「才能の残りかす」?
 出がらし?
 よく言うぜ、まったく。
 教授のライヒだって、さんざん聴きなれたアイディアなのに。
 なのに。ええい、


 嫉妬っ。


 『Tokyo Town Pages』。
 悲壮な、
 たとえば絶望の底で、なにか救済を求めているような教授の世界観が、突如にしてベースで一変。
 ドラムパターンだって、ほかの曲ですでにあったものなのに。
 陰が陽に。
 方向性を与えられ。
 スネアのロールで、前進を始める。
 陰陽の境界を。
 前へ、前へ。


 たまんねっす。


 まったくもって、ずっこいやつらである。
 なんのズルをしたかはわからんが。
 てか、してないが、
 手ごわいおっさんパワーなのである。



 秋葉で降りる。
 夏の空に擬態した摩天楼。
 そびえていて。
 得体のしれない嫉妬の心象風景には、絵に描いたような夏空が、よく効くようで。






 ☾☀闇生☆☽