壁の言の葉

unlucky hero your key


 あつい、というよりもお、そんな感じ。
 熱帯夜かな。
 昨日は一日中寝てた感じがする。
 前日の深酒のリフレインで遅くまで寝ていたし。
 起きても冷蔵庫に何もないことに気づいて、さらなる不貞寝に邁進し。
 腹も減らないし、そのまま断食を決め込むかとも思わせつつ、午後になってふらふらっと外出。
 バッグに文庫本を入れたのは、ひょっとしたらどこかへ行きたくなるかもしれないと。
 その道中にやっつけようと。
 いや、本をよむために、あてどなく電車に揺られていようと。
 うん。
 けれど、ATMで残高見つめて思いとどまった。
 どっかへ行ったら、きっとなんか買いたくなっちまうんだ。俺ったら。


 スーパーで握りずしのパックを購入。
 それと夜の分のお酒とつまみ類。
 帰宅して寝転がって読書。
 元来、そんなはしたない読み方をする男ではないのだが、脱力感が半端ではなく、心ならずもそんな有様に。
 ときどき睡魔にゆだねてZzzzzz。


 同僚に無理やり勧めていたとある事が、思ったとおりに進んでいて。
 てか、ちょっといい感じで。
 どうやら彼のポテンシャルを前向きに作用させることになっている。
 屈託なく喜ぶその姿。
 に、この際、喜ぶことにする。
 きっかけがあたしの助言だった、ということはすっぽりと忘れられてるが。そうする。
 と、思ってしまう自分のあさましさよ。
 ひそかに胸にしまいつつ。
 つかのま、気をまぎらす。


 つらい時には周囲に対して何ができるかを考えてた方が、いい。
 柄にもないことだが。
 

 そういや黒沢明が言っていた。
 演出で、俳優にうまくこちらの意図が伝わらないときがある。
 強引にこちらの意図に引きずり込んだとしても、とても百パーセントは引き込めない。
 それならば、相手の意図に自分が力添えしてやる。
 押してやる。
 そうすればそのシーンは百パーセントをこえると。
 対人関係もそんな瞬間がある。

 
 とかなんとか。
 

 Youtubeで、押井守の最新作『スカイクロラ』の予告を観て、案の定、嫉妬する。
 以前にもここに書いたが、原作がいいのだ。
 悔しいことに。
 アニメは最初の三巻ぐらいのいいとこを、ごちゃっとまとめこんで作っている。
 そうあたしゃ睨んでいる。
 人物たちの外見や戦闘機の仕様、フォルム、はたまた建物や小物に現れるその世界の文化を、あえてひっこめて、読者に想像させることを念頭に、丁寧にそれらの間(マ)を描いている。
 だから、こればっかりは原作を先にやっつけた方が楽しめるのだ。
 でもってその原作が、誰かの、あるいはあなたの胸をかきむしるだろうことに、あたしゃ嫉妬する。


 その世界にはキルドレという死なない子供たちが登場する。
 戦闘のために、永遠に年をとらなくされた者たち。
 決して病気では死なず、戦闘によってのみ、生を終える。
 この存在がポイントなのだ。
 彼らはそれがゆえに蔑視され、そして終わりのない生に倦んでいる。
 ここ。
 生命至上主義でふやけてしまった死生観に、がつん。カウンターを食らわせられるのは。
 永遠の命を求める物語は数あれど、すでにそれが完成していて、ばかりか倦んでいるという。
 死があってこそ、生が活きる。ということを体現する者たち。

 
 でね、
 押井のことだから、アニメはアニメでがつん。やらかすんだ。きっと。
 で、このあたしゃまた、観賞後に何週間もひきずるんだな。絶対。
 しんどいなぁ。
 好きな人やモノを見るのが、年々つらくなっていく。


 おしゃべりがすぎたかな。
 悪いこと言わないから、シリーズの三巻目くらいまでささっと読んじゃってください。


 夕まぐれ、そんな嫉妬まぎれに自作を読み返す。
 どこがおもしれえんだか、わかんねえぞ。
 けっ。
 と中学生のようにすねてみた。
 気がつけば日が落ちている。
 読み進めるうちに夜も更けて。ウォーキングを断念。

 
 景気づけに、
 ちょっと前に買ったVAN HALENのライヴDVDを観る。
 『ベスト・ライヴ:ライト・ヒア、ライト・ナウ』。
 このバンド、初代ヴォーカリスト、デヴィッド・リー・ロスが在籍した時代がなんといっても輝いていた。
 サミー・ヘイガーになってからもいい演奏はあるのだが、ユーモアが減ったようでさびしい。
 ぎゃあぎゃあうるさいし。
 ああいったアメリカン・ロックは、ど派手な馬鹿馬鹿しさこそが肝心なのである。
 今年になってそのデイヴがバンドに戻ってツアーをやっている。
 これでやっとオリジナルメンバーに、と思いきや、今度はベースのマイケル・アンソニーが脱退。
 残念。
 ドラムとギターがオフェンス的アプローチをするこのバンドでは、彼の地味だが堅実なプレイと抜けのいいコーラスが地盤になっていたはずで。
 けれど、アルバムでは年々奥へと引っこんでしまって、ベースが聴き取りにくい曲も多い。
 このライヴは、サミー時代のものだが、ベースの粒がしっかりと聴き取れるから好きなのだ。
 ロックは低音が効いてないとねえ。話になんねえ。
 ぶんぶんいわせてなんぼでしょ。
 決して超絶技巧でべらべらやらかすタイプではないが、バンドっていうのはプチ社会ですから。
 四番バッターをそろえたところで、バンドとしてどうなのよと。
 どうやら新しいバンドを組んだらしいし、彼の今後が楽しみである。
 映像は、何日分か撮ったのをごちゃまぜに編集している。
 冒頭に監督が出てきて、どうだいこの編集のこまやかさは、とばかりにふんぞりかえって威張っているが、正直目にうるさいだけ。
 



 んで、
 酔いつぶれた。
 


 ☾☀闇生☆☽


 かといって、ほぼ日みたいな、プチ悟りっていうか、悟りメントをかますのもなんだよなぁ。
 そんな分際もでもないし。
 どの面さげて書いてんだって話だ。
 

 みんな頑張れ。