壁の言の葉

unlucky hero your key

やつらがくる。

 とりあえず頭痛は収まった。
 熱も下がった。
 連休明け一発目の夜勤はたった四人のぬるぬるにぬる~い現場でござった。
 拍子抜けもしたけれど、まあよしとした次第だ。
 他支社から寄こされた応援さんがデキるアピールのお方で、なおかつお喋り好きで閉口したけれど、まあそれもよしと。


 にしてもなんだろ。
 まったく何のやる気も起こりゃしない。


 新規の現場が来週から断続的に発生するそうな。
 あたしゃ営業からそのアタマを振られたのであるが丁重にお断りした。
 現在支社は欠員状態で、新規現場は他支社からの寄せ集めで組まなければならなくなる。
 それでもメンバーを固定できればマシなのだけれど、それもあやしいのである。
 他支社が押し付けて来る隊員たちはみなそれぞれの所属支社に現場がない。
 あぶれている。
 よって貸し出しされてくるわけで。
 そして会社はそんな隊員たちを万遍なく食べさせようとする。
 座席数は決まっている。
 あぶれた隊員の数はその椅子よりもはるかに多い。
 よって彼らを受け入れる立場としては日替わりメンバーでやりくりすることになってしまう。


 うんざりである。


 くわえて彼らは応援ということでなぜかゲスト気分で参加してくる。
 所属支社から鼻つまみ者となった隊員もよく押し付けられる。
 仕事に対して完全なる受け身。
 機転を利かせるお人よしはまずいない。
 できる奴らも爪を隠して指示を待つ有様。
 そして口を開けば不平不満と愚痴と苦労自慢。 
 結局、アタマを引き受けて彼らの世話をさせられる奴がバカを見るのであーる。


 さて、 
 床屋にもやっと行けたし。
 さっぱりしたし。
 どこかで気分を入れ替えたい。