『カンパイ!日本酒に恋した女たち』

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小西未来監督・編集
『カンパイ! 日本酒に恋した女たち』
UPLINK吉祥寺にて

〝日本酒の未来を切り拓く3人の女性たちを描く、自分らしく生きる勇気をあたえてくれる感動ドキュメンタリー〟
との宣伝コピー。



映画『カンパイ!日本酒に恋した女たち』



日本酒に惹かれ、
その世界にのめり込み、
更なる発見と開拓に挑む3人の女性を取材している。
それぞれにアプローチは異なっており、
ひとりは蔵元の跡継ぎとして『作り』、
ひとりは日本酒バーの店長として新たな魅力を『提供』し、
ひとりはコンサルタントとして『広める』ことでSAKE文化への貢献を続けている。

この三方向から日本酒を考えるという取材方針が、おもしろい。

映画としてのエンターテイメント性を最優先するならば、伝統文化を古く意固地な男尊女卑と、悪の権化とみなし、彼女たちをヒロイックな革命家として描くこともできたにちがいない。

けれど馴れ初めが馴れ初めである。
3人が3人とも誰かに強要されたわけではなく、自分で惚れて自分から飛び込んだ世界なのだ。
ましてや『変える』とは『継承』あってこそできる行為であり、3人は皆その試練を経たからこそ変える資格を獲得した。
そして本来の伝統とは、
そのリレーをくり返すことで代謝がうながされ、生きつづけるもので。

ということで、欲をふたつ、言う。
この継承~変革へという流れ。チャレンジの過程を、もう少しくわしく追って欲しかった。
もうひとつ。
3人が3人ともポジションをほぼほぼ確立しており、少なくとも修行中の小僧とは言えない。
よってエピソードのほとんどが回想として語られてしまうので、臨場感が薄い。
対比として、現在修行中の身として下働きをする迷える入門者(むろん女性)の取材もあったほうが、共感度は増したのではないだろうか。



しっかしまあ、
鑑賞中は唾がわいて腹が鳴って、困った。
とりわけ日本酒バーのシーンは、つらいっす。

ロビーで即売会でもやっていたなら大盛況だったろうに。



闇生