初狩~白野。
小山田信義の『首塚』をあとにして20号にもどり『唐沢橋』を渡る。
笹子川に架かる『舩石橋』を渡ると、草の中に倒れかけの石碑。
かつてこのあたりに船形の石があって、
親鸞聖人がその上に立ち、説法をしたのだそうな。
辻説法というやつだろうか。
その『船石』は明治の水害で流出したという。
碑面には『御船石所在地ハ従是東三拾間余』。
三十間というと50mあまり東にあったということ。
あるいはそこまで流されたということのなか。
人がのって演説ができるほどのサイズの石を、流し去ってしまう水害というのも脅威である。
この右側にも立派な石碑があるが、風情はこちらが勝るかと。
さて次なる分岐をめざして20号をゆくと。
蟹。
歩道に唐突に、蟹。
干からびておられる模様。
おそらくは先日の大雨につられて沢からあがってきたのに違いない。
その後、草のなかなどに潜むうちに周囲の水は失せていき、
「あれ? ここ川じゃねえの?」
てなことになって、川を求めてさまよったと。
炎天下のアスファルトで、ご覧のような仕儀に。
このあたりはやはり水害が多かったらしいね。
いまでも豪雨ともなれば、細い道は川のようになるのではないだろうか。
20号から枝分かれする農道の下り坂などには、国道をくだる水が田んぼに流れ込まないようにと、樋(とい)のようにレールを並べて雨水を下水に導く仕掛けがあった。
本来の道中は、このあたりから分岐して天神山を北側から迂回するらしい。
しかしそのルートは中央道の敷設により消滅と。
あ、この分岐のところは写真を撮り忘れた。
『シマダトレーディング』という倉庫屋さんらしき看板の手前の道ですな。
ちょっと入ってみたが山道になって山のほうにのびている。
けれど、今回はその道の消滅を確認しには行きませんでした。
あしからず。
仕方なくそのまま20号で天神山を南から迂回するルートへ。
でね、このあたりも歩道がないのよ。
みてこれ。
反対側もほっそい路側帯だけで。
というか路側帯にもなっていない。
道を白線で縁取っているだけ。
そもそもこんなとこ歩いてんじゃねえぞっ。的な無言の威圧を通行車から感じるよーな。
肩身のせまい思いをしながらJRの高架をくぐる。
道は笹子川をなぞるようにつづく。
きれいでした。
涼しげでね。
こういう環境で少年の夏を過ごしたいものである。
ほら。これなんかわくわくするぜ? 胸の底の少年が。
丁度いい巨石のテーブル。
その下に青く澄んだ流れ。
飛び込みたいよねえ。
飛び込んで魚とって、石の上に寝転んで日焼けしたいよねえ。少年。
なあ少年。
夏休みだっつのに。誰もおらんのかいっ。
背後をすっ飛ばしていく通行車にびびりながら、撮りました。
次は分岐で迷います。
つづく。
☾☀闇生★☽