その人は、
キレることを多かれ少なかれ格好いいと捉えているフシがある。
自覚は無いのかもしれないが。
キレやすい人たちには、大概そういうところがあって。
キレることで回りが引くのは自分への『恐れ』もしくは『畏れ』であると解釈している。
そこに優越感のようなものを抱くらしい。
ドーパミンだか脳内麻薬だかがどぴゅどぴゅしちゃうらしい。
実際は、失笑か嘲笑か度量、人格への幻滅、見限りとして引いているのにすぎないのに。
キレたことを回想する彼らのそののたまいには、羞恥や悔悟が欠片もないのだ。
かりにそう装っても、のろけか武勇伝のように語る。
最愛の恋人のことのように語る。
こいつ喋りながら半勃ちしてんじゃねえかってぐらいの照れっぷりである。
タチの悪いことに、この恋人は自分から「わかれましょ」とはぜったいに切りださない。
そういう恋人を飼いつづける以上は、いつかまた切れる。
自傷癖の人にも似たような力学がはたらいているんじゃないかと、あたしゃにらんでいる。
おお、恥ずかしい。
で、今夜そのケツ拭きに行くわけです。
あたしは。
☾☀闇生☆☽