NHKやまがたの、生放送中に突如泣き出したお天気おねえさんの件。
いじめ説や過労説などいろいろ噂されているけれど。
現在のところは批判よりも同情や励ましの声が多いような印象がある。
んが、あれおっさんだったら、どうだったの?
39歳を「おにいさん」と呼ぶがどうかは別として、同情する人はどれほどだったのだろうか?
そういや二十代のあたま。
売り場面積が10坪にも満たない、スタッフがあたしだけという過疎店に勤めていたことがあった。
社内的には島流し的あつかい。
都内にチェーン展開していたレンタルビデオ屋のいち支店でのことであーる。
その日中。
ヒマな時間をつかってカウンターのなかで小説を読んでいて号泣してしまったことがあった。
司馬遼太郎の『国盗り物語』とダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』。
なんというピュアな感受性だったろう。
ガラスのようではないか。
そのタイミングで返却に訪れた会員さんには、さすがにちょっとひかれた。
といっても、レンタルビデオ屋のカウンターって、客は店員の顔を見ない人がほとんどなんだけれど。
そっぽを向いて、陳列棚を眺めながら手だけ伸ばして会計を済ませる人ばかりなんだけれど。
それでも何人かには気づかれた。
はたして彼らはあたしに同情したのだろうか。
まあ、声を掛けられて励まされたところで、道三の死を知った信長が〜、などと訳のわからんことをのたまったのだろうが。
あ。
そういや、号泣ではなく、怒りに同情されたことはある。
客の理不尽な態度に対する反応が、露骨に顔に出てしまっていたのに違いない。
「この辺は変なやつ多いからね。大変だよね」
そういってくれた職業ギタリスト。
風邪の高熱で朦朧としていたとき、
「お大事に」
と声をかけてくれた女子大生。
かたじけなし。
いずれにしても、どう少なく見積もってもこちらがまだ「おっさん」ではなく「若いあんちゃん」だったからではないのかと。
それはともかく。
話を戻す。
今回の件。
テレビというのは、所詮は見世物ショーであるということだ。
なんじゃかんじゃいっても、みんなハプニングを愉しんでいる。
品格からほど遠いモノを、そこに期待している。
男性議員の号泣を嗤い、転がし、いじって愉しんだりはするけれど、はてなんで泣いてたのかなんて覚えちゃいない。その程度の遊び。
けっきょくは「はじめてのおつかい」につい涙して応援したくなる、あの気持ちの延長で、おねえさんを励ましている。
がんばれ、と。
がんばって泣け、と。
泣かなかったら興味もわかず、意識のそとの、いち地方番組の天気予報コーナーである。
詮索することで遊んでいるのだ。われわれは。
はじめてのおつかいに出てくる子も、すんなり難なくコトをこなして帰宅したなら、しらけちまうのが大衆だ。
がんばって泣けばいい。
てなことで、あたしもみんなのおねえさんを励ましておこう。
おにいさんも励ましちゃおう。
こんどは放送中に笑いだしたり、踊りだしたりしてほしい。
がんばれ。
ま、あたしゃテレビ観れないんですけどね。
追記。
くそお、その手があったか。
と歯がみする思いでいる他局のお天気おねえさんたち、という構図で次回作をぜひ。
☾☀闇生☆☽