真夜中に、足、つる。
あたしにとっての真夜中なので、日勤者にとっては真昼だ。
ぐぬぬと悶絶しながら、雨音と雷鳴に気づく。
まさかの雷かよ。
んで、カチンコチンにつっぱったふくらはぎを撫でながら、思ふのだ。
ああ、やっぱプリンター買おう、と。
旅本の影響だろう。
それと、先日、
ふるい日記帳を処分していて90年の8月に友人と行き当たりばったりの旅行をした記事に再会したこともある。
使い捨てカメラで撮った友人の若かりしころの雄姿と、
目力の無い、きも~い自撮り。
苦いものがこみあげた。
なので一瞥して握りつぶして捨てた。
が、思いなおしてまた引っ張り出して眺めなおした。
訪れた先々での風景スナップ。
松本城とか行ってんのね。
中央線でスタートして、たしかテキトーに降りるところから始めた旅だった。
むろんスマホなど無く、地図も持たない。
中山道をみつけて、ひたすらたどって、日が落ちるころ古くからつづく宿場についたが、予約なしで泊めてくれるところなど見つからず、さらに歩いて無人駅で野宿した。
旅の目的も人生の目標もさだまらない野郎二人の旅。
あたしに限っては、くすぶりのやり場にこまって飛び出しただけの旅。
テーマのない自由なんて、もて余すだけである。
それでもノートにして形にしておくと、何かしら、標(しるし)にはなるもので。
道標ね。
マイルストーンね。
距離の目安にもなれば、若さというものを回想する足掛かりにもなる。
いや、狎れてしまったくすぶりを、くすぶりとして見ることができる。
なにも成長なんてしていない。
ひきつづき、何者にもなれていない。
雷鳴がおさまっていく。
ふくらはぎも、ぐんとのびをしておさまった。
まあ、でも、旅本の作家たち、愉しんでる。
愉しむひとを知ることは、愉しい。
☾☀闇生★☽