いらいらする。
雨が続いているから、
ではなく、この湿度こそがそのいらだちの温床なのだ。
などとあまやかしてはならぬ。
いらだちを。
つまらんことで鬼のように書類の提出をもとめてくるお役所に閉口する日々だもんで。
それは問題がおこらないようにするためではなく、
要は、なにか問題が起こったときに彼らにまで面倒がおよばないためにする書類づくりだもんで。
間の抜けたたった一本のクレームが、担当のお役所まで届いたらしく、
それでまたつまらん雑用が現場に丸投げされた。
確認のための確認のための確認、のための確認……。
言うだけの指図は簡単だものね。
あまやかしてはならぬのだ。
どしゃぶりのなか一件一件訪問して住人対応に明け暮れる。
インターホン越しに受け止める、ものぐさ声。
去り際にかけられる「ごくろうさま」に、感謝。
靴のなかまでぐっしょぐしょだ。
ローソンのコーヒー。
あちち、と誰もいない仮設詰所でいただく。
作って来た玄米の握り飯。ゆで卵。
しんぶんし。
いつものおひるせっと。
トタンをうつ雨。
雨にうたれるトタン。
夜、父から電話。
しばらくこちらからは連絡を入れないでいたのだった。
兄たち夫婦とひとつ屋根の下となって、どうしているのか。
はたして電話を代わった兄によれば、やはり親のわがままに閉口しているとのこと。
義姉のストレスも、少なくないにちがいない。
が、それは親もおなじだろう。
他人の自由は自分の不自由。
多少なりとも固執すれば、それを人はわがままといふ。
酔っていたので、母に指摘される。
電話に出なければよかった。
我ながらろれつが怪しい。
はやく嫁さんみつけろ。
まだ言ってんのかと思う。
思う。
おっさんど真ん中である。
である。
低所得者まぎれもない。
ない。
そんなのがいらだってたら、みっともないじゃありませんか。
コンビニの順番抜かしにだって「ドーゾオサキニ」と笑ってやろうじゃありませんか。
アハハ。アハハ。
モットオサキニ。
ジャンジャンオサキニ。
ドーゾドーゾ。
ぷいと居なくなった隣室。
リフォームは終わったらしく、
汗を吸って禿げ散らかしていた畳は処分され、
フローリングにされて、
がらんとあとかたも無くなった。
はて、
この期に及んでなにかのこすことができるんでしょーか。
あたしは。
☾☀闇生☆☽