壁の言の葉

unlucky hero your key

 たしかアメフトで、と言っていたのか。
 とあるチームのファンたちは、
 その12人目の選手としてチームと一体であるという意識をもつそうで。
 その、いわば忠誠心の証として、背番号12のユニフォームを着て応援するのだそうだ。
 その団結たるやすさまじく、
 試合中、プレーが敵の流れになろうものなら、怒涛のブーイングで審判の声すら抹消するといふ。
 その逸話を教えてくれた彼、
 惚れぼれとそれを話しおえるや、こうまとめたのだった。




 やっぱ、さすがアメリカですよねえ〜。




 んなあほな。
 と返す刀で、
 あたしゃこう話の腰を折ったった。
 

 ああ、
 こないだのサッカーの北朝鮮戦みたいなもんか。


 ま、ま、まあ、そうですけどお。
 けど、なんだ。
 なんなんだ。
 ひさしぶりに聞いたよ、アメリカ信奉。
 奴隷根性。
 太古以来、この手の話は必ずこう続くのだ、
「だから日本は駄目なんだ」と。
 そんなのはとっくに絶えて久しいと思っていたのだが、
 VHSのレンタルビデオ屋世代が、
 価値観もそのままにネットの世に移行したのだ。
 アメリカ映画とドラマしか見ないようにして、そのまんまおっさんになりはてた。
 ならば、さもありなんである。
 とっぷりとやられているし。
 そういうの、どうなんだろか。
 アメリカ人からしても、どうなんだろか。











 褒め言葉に自虐の付け合わせ。
 友としても、ださいだろ? 




 ☾☀闇生☆☽