NARUTO 巻ノ五十七。


 以下、
 NARUTOHUNTER×HUNTERのネタバレ含む。
 




 もう愛想を尽かしてはいるんですけどね。
 職場唯一の共通の話題がコレなので、
 腐れ縁的に購入した次第。
 

 冷めちまった最大の理由は、あれだ。
 木の葉崩し。
 大量殺戮を描いたまではいいのだが、
 そのあとの大量再生がね。
 あれほどの人命の軽視はないなと。
 なんなんだあれ。
 たしかにガーラのときもありましたが、
 まあ、
 あれがこの作品世界での唯一のイレギュラーなのだろうと。
 お人よしよろしくそう踏まえていたところへの、生死の大安売りだったもので。
 すまん。
 



 萎えちゃった。




 御都合で、生き死にを扱うな。
 たとえファンタジーとはいえども、
 生死の設定というのは作品の全編に作用するルールなわけで。
 下手こくと、とりかえしがつかない。
 遊びというものは、そのルールが厳格なほど、遊べるわけであり。
 自由の輪郭は束縛の加減にかかっておるわけで、
 ミソっかすや例外、特例が増えるほどにつまらなくなっていく。
 ぐだぐだだ。
 んなのはジョーシキよ。
 なんのために決死だの、必死だのと闘いを繰り返しているのかわからなくなってしまうではないか。
 愛憎も、友愛も、家族愛も、
 連帯も、離反も、
 自由も、束縛も、
 冒険も、保守も、
 出逢いと別れ、 
 希望と絶望、
 快楽、苦悩、怠惰、勤勉、
 喜怒哀楽、日常まるごと、
 とどのつまり生そのものが、
 死という絶対的なタイムリミットあってのことだろうに。
 



 どうせ生き返るんでしょ?
 ではなあ。




 そこへいくと同日に発売されたHUNTER×HUNTERの最新巻。
 主人公は師匠の再生のために冒険と戦闘を長々と繰り返してきた。
 して、
 やっとそのカタキであり、かつ再生の術を持っているにキャラに遭遇するのだが、あにはからんや
 死んだものは元に戻らない、とのことであーる。
 必死になろうが、
 頑張ろうが、
 イケメンだろうが、
 行いが正しかろうが、そればかりは覆らないと。


 そもそもNARUTOの大好きな友情とかいう概念も、
 今生限りであってこそだろうに。
 あほかっ。
 

 んで、
 あたしが萎えてしまったからなのか、
 それ以降の連載は、日に日に下手になっていくように見える。
 念のためにことわっておくが、
 絵の上手、下手のことではない。
 漫画の技量のことを言っている。
 画力ではなく、漫画力。
 さらに補足すれば、
 その漫画にとって、
 あるいはそのシーンにとって上手に描くことが、
 必ずしも伝達手段として最善であるとは限らない場合が、ある。
 綺麗か否か。
 ではなく正解か不正解しかないのだ。
 イラスト集ではないのよ。
 時間の芸術であってこそ。
 

 そこであえて余話として書き留めておくが、
 時間の芸術といえば、映画も同じである。
 黒澤明の証言にあるのだが。
 三船敏郎の殺陣というのはものすごく迫力があると。
 けれど、
 そのシーンのフィルムをひとコマずつチェックすると、きちんと映っているものがほとんどないのだそうな。
 カメラに向かって動くときだけ、辛うじて顔がわかるが。
 あとはだいだいが流れてしまっている。
 なのに、つなげて観てみるとあの豪快な殺陣になっていると。


 だもんでHUNTER。
 例の悪評高い、
 雑誌掲載時の鉛筆画のようなのでも、
 あたくし的には、漫画としてうまい、なのだな。
 のちに清書された単行本をみて、がっかりするほどで。
 きっちり描いたぶん、スピード感が殺されている。


 話をもどそうか。
 NARUTOの前巻。
 金銀兄弟戦。
 勝利に必要なアイテムがあって。(琥珀の浄瓶)
 それを戦地に届けなければならないというくだりがあった。
 その寸刻を争う事態に、突如として『物質を光の速さで送る』能力者が紹介される。
 なんなんだよ。このあとだしジャンケン感は。
 こういう時こそ逆手にとって、
 そのアイテムが届くまでどうやって時間をかせぐか。
 はたまた防戦するか、という知恵がはたらいておもしろくなるのに。
 ワープ一発で解決だもの。
 いたるところに後づけまるだしの回想シーンばっかりだし。


 サクラが偽ネジに襲われるくだりも、
 とってつけたかのようにサクラへの告白者が出て来るわ。
 なんなんですか。あれ。
 思わせぶりのためにだけ作られた、
 なんといおうか……、
 捨てキャラ。
 嗚呼、哀しすぎる。
 なりたくないわあ、
 捨てキャラ。











 読者なめんな。






  
 
 ☾☀闇生☆☽


 にしても、
 コンビニで漫画の単行本を熟読しているおっさんの群れ。
 あの背中。
 つらいなあぁ。
 こっちゃ愛想を尽かしたNARUTOにさえ、カネ出してんぞっ。
 
 
 追伸。
 ダブルラリアットて。
 そこまでおす代物か?
 体術が戦闘の要だったころは、流れのあるおもしろい構図やポージングが多かったと記憶するのだが、勘違いだろうか。
 なんだこのつまらん戦いは。
 にしてもダブルラリアットて。
 駆け引きや知力のせめぎあいもなく、
 せいぜい人情だのみの力技。
 ダブルラリアットて。
 ここまで大味なら、
 医療班をポイント攻撃するゼツのちまちました戦術なんか、いらんだろ。
 変装して、潜入して、こそこそクナイでひと突きて。
 もお、こうなったらあれだ。
 いっそどかーん、とやればいいじゃないか。
 なんか知らんが、
 どかーん、
 ぼかーんで、
 ががががが、でいいじゃないか。