壁の言の葉

unlucky hero your key










 あのテレビの中のブームには、
 日常で実際に出くわしたことが無いので、ただならない違和感を感じてはいた。
 老若男女、日々出会う人たちとの話題にのぼったことが無い。
 けどそれは、
 あたしがおっさんだから、
 周囲が「しゃべったってわかんねーだろうなあ」との配慮で、そうしているのかもしれない。
 そこは、ひとりのおっさんのはしくれとして、わきまえておく。
 しかしマルモとかいうのも、
 子供たちがそのダンスで遊んでいるのを見かけたり、
 替え歌をしているのを耳にすることはあった。
 とだけ付け加えておこう。

 
 ちなみに、
 いわゆる韓流ブーム批判(つまり韓流キャンペーン批判)と、
 韓国批判はまったく違うからね。
 良い子のみなさんはそこを混同しちゃいかんよ。


 かくいう闇生、
 地デジ難民である。
 テレビを切ってからというもの、その手の喧騒の外側に棲む。
 いまのテレビは、
 ふかわが言うように、もはや時代を担う役割を終えていると思う。
 注目されてあたりまえだと、
 して大衆の生活必需であると、
 うっかりズに乗りすぎた。
 何をやっても愛されて当然であると、
 テレビ自体がアイドルぼけしてしまった。
 不倫しようが、
 激太りしようが、
 なにしようが、
 喉もとすぎればなんとやら。
 なんじゃかんじゃと悪口言っても、
 どうせまた会いたくなるんでしょ?
 抱くんでしょ? とね。 


 されど、どんなアイドルでも歳はとる。
 努力をおこたれば、精神さえもが老けこんでいく。
 なんかのそのそして、
 ふがふが言って、
 うかうかするとなんか妙な臭いをはなちはじめる。


 とまあ、
 長文化してやるほどの義理も無い。
 今のところは、ほとほと愛想を尽かしている次第。







 テレビ買いたくなるような、
 おもしろいのやれえ。







 ☾☀闇生☆☽

 
 追伸。
 震災の前。
 気づけばCMが、
 パチンコと消費者金融と酒ばかりになっていた。
 アニメや人気タレント使ってギャンブルを、
 清楚で明るいイメージの女で金貸しを、
 といった具合に吸い取った挙句に、
 とどめの昼酒推奨である。
 視聴者をアホ扱いである。
 ベタもベタ。大ベタだ。
 堕落の王道ではないか。
 そんな構図に見えて気持ち悪くなったのだった。