LAURA IZIBOR(ローラ・イジボア)という女性シンガーソングライターが、デビューいたしましてね。
そのデビューアルバムが、いいのだわ。
勤務先でのBGMはゆうせんまかせにしているあたくし闇生だが、そのNEW DISCチャンネルで彼女のアルバムがフルで紹介されている。
なにがいいって、まず楽曲がつぶぞろい。
PVで紹介されているもの以外にも『Don’t Stay』なんか珠玉でしょう。
たとえば、同じチャンネルで紹介されているBIRDY NAM NAMのようなのもあたしゃ好物で。
こちらは腕っ効きのターンテーブリストが四人で組んだプロジェクトだという。
アナログシンセフェチをくすぐるような心憎い構成でもあり、これはこれでたまらんわけなのだが、歳のせいかメロディーの強さというものをひしひしと感じる今日この頃。
いかがおすごしでしょうか。
であるからして、
並べて聴かされると、やはりその強さにうろさえてしまうのだ。
メロディーのね。
それは、たとえこの先、フォーマットやテクノロジー楽器の栄枯盛衰、世代交代があっても、しぶとく生き残るもので。
聴き継がれ、
そして歌い継がれる、
そんな『再・生』という名の不死の主要素ではないのかと。
つくづく思わされるのであーる。
極論を言えば、電気の途絶えた戦場でも、ふと口ずさまれる。
そんな力がありますわな。
ちょっと話がそれたかな。
アイルランド出身で、まだ二十歳。
自分でプロデュースもしていて、制作に4年の歳月をかけたというんだから、その強さの芯がうかがいしれようというもの。
これからが楽しみである。
んで、
話を変える。
いまになって劇画版の『風の谷のナウシカ』がコンビニや書店に並んでいる。
有名な映画版は、周知の通りこれの序盤の一側面をつるりと撫でたに過ぎない。
して、劇画版はあれほど安易には泣かせてくれはしない。
だもんで映画版だけしか知らない人には、この機会に是が非でもじぃーくりと読んでいただきたい。
てか、いただこう。
また、エヴァが上映中であるからして、ナウシカの世界の『巨神兵と火の七日間』をもとに、さらなる連想をむさぼるのも愉しいでしょう。
つなげちまえと。
あたしも、この機会にと、再読中である。
この世界では、文明が穢しつくした地上を浄化する役割として、人を拒む猛毒の森が存在する。
人呼んで、腐海。
この設定を作者の宮崎駿は、近所のドブさらいをしていて思いついたという。
ヘドロのなかにも見たことのないような生物が生きていて、それらは決して清流には棲めず、そして清流の生き物は決してヘドロの中に棲めない。
それが腐海と人間の関係を思いつくきっかけになったらしい。
これってあれか。
昨今取り沙汰されて、いつのまにか否定をゆるさぬ絶対的な価値観として根付いていながら、その実、具体的なことはなにも議論されていない概念、『共生』の問題とリンクしてないか。
ついつい曖昧なままにしている『共生』こそが偽善であると、埼玉大学教授の長谷川三千子が喝破していた。
(1月12日付産経新聞『正論』ホントは怖い「多文化共生」)
たとえば自然界では同じ川の中でも、浅瀬や急流、水面や川底、岩場や砂地といった具合に生物たちはその種類や成長の段階によって棲み分けている。
それによって無用な争いを避けているのだ。
そしてそれこそが、本来の『共生』であると。
ならば、人間の共生とはそれぞれの土地にあった文化をはぐくみ、そこに根付いて日々を営むことである。
ところが、現在取り沙汰されている共生とは、この棲み分けをぶち壊していく意味でつかわれているのだな。
グローバリズムがその最たるものでしょーが。
して、それがいつだって争いを生んできたわけで。
チベットやウイグルで起きている悲劇を見れば、明白なように。
なんせ、あれだけの広大な国土に日付変更線すら認めないんだから。
言ってみりゃ一色塗り。
そりゃあ無理がでるよ。
しかし、それにしても恐るべし、宮崎駿。
昭和57年(1982年)から掲載を始めたこの物語が、がっつりと現在を見据えているではないの。
腐海を焼き払うことに未来は無く、ましてや腐海で人と蟲が入り混じって暮らすだなんて安直なオチにもさせず、登場人物たちと棲み分けを模索しているのだ。
その苦悩が『もののけ姫』では森とタタラ場の関係に活かされてもいるのだし。
双方を知ったアシタカのやりきれなさでもあり、と。
このほかにも、人工生命クローンの問題も、タブーとして描かれていた。
誤解しちゃいけないのは、それぞれを隔離せよというのではないのよ。
川で共生する生物も、水は、共有しておりますでしょ。
あたしたちも空や海は共有している。
あるいは音楽も。
だからこれらはグローバルに考えるべきことかと。
それはそれ。
これはこれ。
☾☀闇生☆☽
いまさらですが、
基本的に、文中での敬称は略してます。
なんかね、
逆に馴れ馴れしくなってしまってね。