壁の言の葉

unlucky hero your key

歩く。47

 白野~阿弥陀海道。


 『立石』を出たところ。
 線路沿いの道をゆく。
 

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白野~阿弥陀海道 親鸞聖人念仏供養塔。


 碑面には『毒蛇済度』とある。
 この地につたわる毒蛇伝説にまつわるもので。
 地頭の家の娘が毒蛇になってしまった。
 地元の池に棲みついていたが、親鸞聖人によって成仏されたという伝説だそうな。


 ここもまた親鸞聖人ゆかりの地ではないか。
 毒蛇となった娘に南無阿弥陀仏を唱えさせたということか。
 むろん『毒蛇』という表現は、
 噂と誇張のリレーによる誤差が時を経て厚く重なって、たとえがたとえの役割をなくしてのことだろうけれど。
 その娘さんのどういう状態、状況が『毒蛇』と表現されたのだろう。


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白野~阿弥陀海道 親鸞聖人念仏供養塚。


 この道の反対側に『稲村神社』。


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白野~阿弥陀海道 稲村神社。


 ひとつの根から三本の幹の杉の木。


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白野~阿弥陀海道 稲村神社。


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白野~阿弥陀海道 稲村神社。


 道祖神の横隊。
 よし、この木陰で弁当をとらせてもらおう。
 12時35分。
 弁当といってもおにぎり二つとゆで卵だけなのだが。
 うまし。
 

 境内は児童公園のようになっている。
 やはりここも無人
 誰も遊んでいない。
 どこ行っちゃったのだろうか。夏休みの子供たち。


 古道にもどる。
 ガイドブックではこの先『異形の松』を目印にT字路を左折。
 しかしその異形の松が見当たらない。
 それらしきお宅の庭から道へむけて幹が出ていて、それは境界線上で切断されていた。
 通行の邪魔だということで伐ったのだろう。


 古道はここを左折せずに直進するのだが、中央本線に遮られて通行できない。
 その手前にあるお宅が、毒蛇伝説の娘さんのお宅とのこと。
 さすがに写真をとるようなまねは慎む。
 ふつうの一戸建てで、むろん毒蛇伝説についての説明書きはなかった。
 

 引き返してガイドブック通りにT字路を曲がる。
 

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白野~阿弥陀海道 葦池。
 

 曲がった先のJRの高架の手前。
 そこが窪地になっており、今は畑だが『葦池』の石碑がたつ。
 すぐ横には『葦ケ池』の丸太の標柱。
 ここが毒蛇伝説の娘が毒蛇になって棲みついたとされる池のあと。
 父の地頭は、親鸞の法力を目の当たりにし、その徳を慕ってか娘の成仏を願ってか、出家したという。


 高架をくぐって20号へ合流。


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白野~阿弥陀海道 。


 スナックシルビア。
 よろしいですなー。
 車でもなければ通えないところにスナックである。
 いまは閉店しているが、時代ですな。
 看板には地元の名酒『笹一』のマークが。


 本日の目的地『笹子』駅はもうすぐだ。





 ☾☀闇生★☽