壁の言の葉

unlucky hero your key

 最初のシングルが出たとき、店でかけまくったね。
 アルバムが先だったっけ?
 ビデオ屋なのに、CDのジャケットをカウンター前に飾ってさ。
 手書きでNow Playingなんてポップ作って。
 なんせ、流してると会員さんにいちいち訊かれるから。


「これ、だれ?」


 なんて。
 それを説明するあんた、誇らしげだった。
 Wake up everybodyも、
 ICE3も、
 We’re in the moodも、
 いったい何回かけたんだろうか、
 聴いたんだろうか。


 ニュース。
 どっかで聞いてるはずだよね。
 あんた、唐突にいなくなるから…。
 宮内さん、あのあと何度か店に顔だしてくれたんすよ。
 ひょっとしたらあんたがいるんじゃねーか、て。
 仕事まで世話してもらって、それなのに…。


 今も聴いてるでしょ?
 前を向かせるよね。
 ICEの曲って。
 決して聴く人をうつむかせない。
 どこにいるかしらないけれど、今こそ胸を張って、自慢してやってください。


「俺だけに、目の前で弾いてくれたことあんだぜ」


 って。
 出会った時の逸話とか、いろいろ持ってんじゃん。
 他愛もないけど。
 そればかりはガキんちょみたいに、無邪気に威張ってヨシ!
 語り継ぐのはあんたの使命だ。

 
 会った人に、
 ライブを観た人に、
 もちろん聴いてきた人たちにも、
 ちっぽけでもそれぞれの物語があるはず。
 そんなカケラを持ち寄って、リレーしていければ。
 ね。



 次回からここは、
 またおバカブログにもどる。



 ☾☀闇生☆☽