壁の言の葉

unlucky hero your key

猫との距離。


 人は自分を認めてくれるひと、
 実際的・精神的に自分の力になってくれるひとに惹かれる。
 好きになる。


 そこに善悪は関与できない。


 それはその人に頼るということで。
 楽をしようとすることで。
 依存するということで。 
 悪くすれば怠けようとすることで。


 有体に云って自分にとって都合がいいかどうか
 それだけ。
 好き嫌いのモノサシは自分の匙加減なのであーる。


 だもんで己のことなど棚上げにする。
 

 そのモノサシから逸れた言動をされたり、
 自分を否定されたりすればただちに失望する。
 それも勝手に。


 はて、自分は彼を認めて来られたのか?
 力になれていたのか?
 そんなことを省みることも無い。


 勝手にその一面を『好き』で塗りつぶし、他の面が顔を出せば『嫌い』で塗りつぶす。


 けれど、人は複雑怪奇な多面体だ。
 好きと嫌いの二色だけでは割り切れない。
 身も心も一瞬たりとも制止してはおられぬ矛盾で捏ね上げた生き物なのだ。
 いやバケモノだろう。


 だから、
 それもこれもひっくるめて、愛でるのだ。




 愛でるのだよ、




 顔なじみの猫のように。




 猫は猫で生きてるし。




 飯も食うがうんこもするし。
 喧嘩もすれば、病気にもなるし。
 人を威嚇することもあれば甘えもする。


 ちっこいモノサシなんか捨てて、
 愛でる。
 





 その距離感が丁度いいと思う。




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 ☾☀闇生☆☽