壁の言の葉

unlucky hero your key

読書。

 読書用アカウントなるものを設けて、本の感想などをつぶやいておられる方々がいることを知る。
 その多くが本の感想のために専用のノートを用意しておられ、
 丁寧な手書きで綴り、
 かつファイル分けされたページの様子をアップされている。
 この『手書き』ってとこ。ポイントです。


 感心しましたなー。
 えらいもんですよ。
 日常のなかで読書の時間をいかにして設けるか、
 そしてその時間をどれたけ守るか、を主につぶやいておられるご様子だ。


 ひとりになったら本を読む


 とは、大手出版社がかつてヒットさせたCMのコピーだが。
 読書ノート。
 一人の時間を豊かな自由時間として認識し、大切にしておられる方々のいわば「孤独のたしなみ」がそこにある。


 傾向も古今東西にわたって多種多様だ。
 現役の作家はむろんのこと、明治や世界各国の文豪たちまで。
 また、フォロアー同士で推薦し合うというような交流もあるらしいぞと。
 対象となる作品は圧倒的にフィクションが多い。
 そこがまた嬉しいじゃあーりませんか。



 

 社会生活にまみれていくほどに、とりわけ読書っつーものは、フィクション物から遠ざかる傾向がありましてー。
 これはあたしの偏見かもしれませんが。
 資格や投資などの実益や健康法といったただちに自分の得になる情報ばかりに目が向きがちで、
 なんかね、
 殺伐とした思いにかられるときがあるのよね。あたしなんかはとくに。


 小説は、
 光や音の派手な演出がないぶんだけ、解釈の自由度も広大で。
 想像力を働かせつつも、作者にこちらの想像力をいじられていくのが何よりの愉しみとなる。
 

 想像だけなら逮捕されない


 これはかつてあった某バンドの宣伝コピー。
 刹那的で賢しら気にしゃっちょこばったポリコレなんかなんのその。
 文学は基本的には自由で、
 読者の想像力のなかでのみ生きるのであって、
 想像力がある限り、死なない。
 その自由の生殺与奪には、言わずもがな危険がともなう。






 本を読もう。
 できればノートを付けよう。
 現場への出勤をちょっと早くして、各駅停車でのんびり読書するのを毎日の楽しみにしている同僚がいる。
 一か月も経つと結構な冊数を読破していたので驚いた。
 そしてあたしゃちょっと嫉妬した次第。


 






 ☾★闇生☀☽