アマゾンプライムなんたらで松本人志の『ドキュメンタル』を観る。
招待された10人の芸人たちがそれぞれ100万円ずつを持ち寄り、密室のなかで笑かし合いをする趣向。
ルールは簡単。
笑ったら負け。
負けたら100万円を置いて退場する。
勝ち残ったひとりが残された計1000万円を手中にすると。
制限時間は6時間。
判定は松本がモニター越しに別室から行い、
退場は三段階三色のカードで決定される。
つまりイエロー、オレンジを経てレッドを食らえばゲットアウトに。
密室にはキッチンもあり、小道具は持ち込みオーケー。
そして、規制は原則的に無い。
自由。
なんでもありだ。
予想通り、この『自由』というやつが一番厄介らしかった。
ルール上は6時間にたった1回のギャグで他の9人が爆笑してしまえば勝ちとなる。
だが、なかなかそうはいかない。
どんだけ引き出しの多い芸人でも、すぐに引き出しがつきてしまう。
自由を持て余してしまう。
そうなると結局は、顔芸か下ネタに行きついてしまう。
とどのつまり根っこは小学生のころと同じ、笑いの原点にもどるのであーる。
企画そのものが松本の好むいつもの法則そのものずばりであり。
つまり『笑ってはいけない』という縛りがかえって笑いを生むというねらいのもとに成立させようとしている。
もはや体罰的な罰ゲームは、業界的になれてしまっており、
食傷気味で、
体罰が『笑ってはいけない』というリミッターとしての役割を終えていて、
むしろそれがリアクション芸へのおいしさになってしまっている。
そこへきて自腹の100万円というリミッターを考えたというのだろう。
シーズン1では、これによって守りに徹するバトルスタイルがまかり通ってしまうことになった。
笑わないが、笑わせに出ることも少ない、という戦法。
ようするにリミッターがシリアスすぎてマジになりすぎた感があった。
これが慣例化するれば、勝負には勝ったが芸人として、ひいては番組としてつまらないという結果になるおそれがある。
そこでシーズン2ではポイント制を導入。
カードが出されるたび、それは誰の功績だったかをポイントとして記録する。
制限時間を過ぎても複数が生き残っている場合はこの積み上げたポイントで勝敗を決めるという。
これによって『攻め』は増えた。
んが、引き出しもすぐに尽きた。
矢弾尽き果て、殴り合いといった態になっていく。
シーズン2はまだ3話目が配信されたところ。
このあとどう展開されるのか。
ひょっとすると『自由』を『自由』のままに持て余しているのかもしれない。
強引にだれかがゲーム中にルールを制定するのも『自由』のはず。
自分に得意なリング(ルール)に引きずり込むのもアリなはずで。
たとえば「大喜利やろう」と。
モノマネ対決とか、自分のリングへの引っ張り合いも見てみたい。
そこでプロレスとして、相手の技を受けてみせるのか。
あるいはガチでストリートに居続けるのか。
そういう駆け引きでもしないかぎり、単発ギャグと即興コントだけで6時間を持たせるのはきついぞと。
水曜配信。
また来週なのであーる。
☾☀闇生★☽