風邪ひいた。


 火曜といえば、
 ひがないちにち蚊の大群になやまされるような現場で。
 ま、そんな陽気で。
 なのに昨日があの寒風でございましょ?
 そのなかをだな、
 のべ四時間も自転車で汗だくになってたものだから、頭痛いし、
 寒気するし。
 そりゃあ帰宅してすぐ入浴するってもんで。
 あったまってから布団へ潜り込みました。
 さながら真冬の就寝装備。
 けど、
 まあ今日もまだ引きずっている感じだわな。
 風邪はともかくとして、
 あたしゃいつも疲れたときの頭痛は左の眼の奥を核として広がっていく。


 これ、なんか変な病気なのだろうか。


 そういえば、
 先々週だったかU-SENのNEW DISCチャンネルにクラプトンの新作が取り上げられていた。
 なんと驚くことにウィントン・マルサリスと共演したライヴ盤である。
 ウィントンといえば、
 タキシードを着込んで演奏するよーな、
 古き良き古典派ジャズを現代に蘇らせたスターである。
 ああいうのをなんていうんだ。
 新古典派とでもいうのか。
 新古今和歌とでもいうのか。
 そいつがクラプトンの例の、黒人に生まれたかった病、な音にハマっていたのは言うまでも無い。
 古典派ジャズとブルースが、まだ不可分だったあたりを存分に匂わせているのが聴きどころかと。
 選曲も、おそらくはジャズ畑のものばかりなのだが、
 一曲だけなぜかあの『愛しのレイラ』が混じってるのね。
 それがね、浮いてるの。
 でもやっぱやんなきゃなんないんでしょうかね。
 クラプトンが出る以上は。
 アレンジはニューオリンズのファースト・ラインっていうんでしたっけ。
 葬送曲ぽいあれ。
 んで、もっともらしく哀愁のおっさんよろしく物悲しげに歌いあげると。
 でもなあ、
 どうしてもやんなきゃなんないんでしょうか。あの手の、サービス。


 あたしゃYMOのライブだからって、
 アンコールでのライディーンには喜ばないクチだし。
 教授の戦メリとか。
 ヴァン・ヘイレンのジャンプに狂喜したりはしない。
 ああいう大大大表曲みたいのを、ラストにやらかすのは過剰サービスだと思っていいし。
 ありていに言って野暮だろう。
 一気コールだろう。
 ビート武にコマネチをねだるようなものでもあり。
 タモリにイグアナを。
 春日にとぅーすを。
 谷啓ガチョーンを無理強いした時の、あのお付き合い感だ。
 同調圧力だ。


 切り札は、
 出し惜しんでこそ価値があるのだよ。


 クラプトン。
 数年前にもその『レイラ』をアンプラグド版で発表したことがあった。
 これもライヴでのことで、えらくヒットしたのを覚えている。
 けどねこれ、リズムがシャッフルで、
 なおかつバラードとしてもったりとやるもんだから、
 あたしにはどーしたって音頭調にしか聞えなかったのだ。
 

 ちょちょんが、ちょん♪


 クラプトンが浴衣着て、
 ちょちょんが、ちょんって手を打って、
 物憂げに歌っている絵が浮かんでしょうがない。
 いまではレイラ〜♪の前に、裏で「あ」が入っているような幻聴にさいまなれる次第。


 っあレイラ〜♪ 






 観客は、心地よく裏切られたいのを自覚できない。
 というのを、おのおの自覚すべきかと。
 キャー振り向いてー。
 けど、振り向かないでー、っていうね。



 ほんじゃ今日の勤務、いってきまーす。





 ☾☀闇生☆☽