YMOの散開ライヴでのコスチュームは、あえてナチっぽさを押したものだった。
それは、
民衆の喝采(民主主義)に生み出されたひとつのカリスマ(独裁)が、やがて独り歩きし、巨大化し暴走して、果てに自滅するという、ある時代を背負った人気バンドの終末を、当人たちがアイロニカルに演じて見せたわけで。つまりはユーモアだ。
なんせライブ盤のタイトルを「パブリック・プレッシャー(公的抑圧)」と付けた彼らのことである。
ともかく、
時代がなせるわざだったのか、
それとも今のようにグローバリズムが未発達だったからなのか。
いや、そういう言葉すら広まってなかったな。
あれにクレームが来たというハナシはついに聞かなかった。
今回クレームを受けた日本のグループがどんなパフォーマンスだったのかは、知らない。
曲想もわからない。
無知丸出しに、はしゃいじゃったのかもしれない。
その上でコスチュームを解釈すべきだろうが、それは置く。
ここでは置きっぱなしにする。
気になったのは抗議側のお言葉。
「(略)多くの若い日本人が、第2次世界大戦(World War II)中にアジアを占領した大日本帝国の犯した人道に対する罪について不十分な教育しか受けていないことは良く知っている。」(クーパー師)
多くのユダヤ人をナチから救出した杉原千畝の偉業もまた、決して彼の個人プレーではなく、大日本帝国のお役所仕事という面が機能し、それを国民が受け入れたからでもある。
私欲が無いだけにシンドラーより健気だ。
どうか忘れずに願いたい。
☾☀闇生☆☽
人道に対する罪。
それもまた戦後の概念だ。