夕立の午後に洗い物をしていたら足元が濡れている。
 はて、どこから吹き込んだのかと窓を確かめる。
 もしやと思って流しの下の収納をあけてみる。
 びしょ濡れである。
 しばし呆然と水の出どこを探す。
 排水パイプはしっかりとついている。
 それでもパイプの表面には水が伝ったあとがある。
 どうやら漏水はパイプの上部、流しの裏面、排水溝への付け根あたりからである。
 ジョイント部がゆるんでいないか確かめる。
 ホースそのものにではなく、ステンレス製流しの底部の排水溝の継ぎ目に穴が開いているようだった。
 老朽化も甚だしい。


 ああ、ぼろアパート。


 母親と二人暮らし。その親の介護をしながら夜勤のケービをしている同僚がいる。
 母を寝かしつけ、そのすきに夜勤に出て、休憩ごとに原付を飛ばしては様子を見に帰る。
 そのたびに失禁して床に転倒している我が母を発見する毎日だ。
 そんなことを繰り返しているうちに自身もシニアとなっている。


 
 ケービは独身中年が多い。
 中年にして独身で、なおかつ底辺のケービならもう縁はない。
 そのほとんどが最後まで独りだろう。
 現場の新規入場に記入できる緊急連絡先が、年々減っていく。




 先年なくなった隣人のように自分もこのぼろアパートで終わるのだろうかと。





 ☾☀闇生★☽