昨晩は日勤後の夜勤。
今の会社に入って初めての夜勤。
あまりの欠員で頼みこまれ、しぶしぶ受けたのだ。
上京したてのン十年前に短期でバイトしてたときは夜勤専門だった。
今のところと違って、いい加減な会社で。
現場ごとのリーダーも曖昧で、
てか無くて、
新人を教えるという習慣もなかった。
良い意味でのお節介が、まるで無かった。
他人は他人。
今でも覚えている。
真冬。
上馬四丁目交差点下水道工事。
片交に二人と、現場から数百メートル離れた地点の通行止めに一人。
あたしゃ常駐だというのに、毎晩、この立っているだけの通行止めを独占していた。
看板を照らす照明でひとり暖をとっていた。
やな奴。
けど、そういう社風だったのね。
公共工事のもろもろの取り決めが今より大雑把だった時代でもあったし。
で、日勤夜勤の連勤も強制だった。
最後はそれについていけなくなってバックレたんだけどね。
今の会社はそういうところはちゃんとしているし、
経験者が一番面倒な持ち場を見るという暗黙の常識も、互いの労をおもいやる一般的な情も、お客へのマナーもそこそこのレベルを保っているので、受注する仕事もかつてのそれよりは自然高度になる。
能力が求められる。
夜勤なら危険が多い分、尚のことである。
だからクセがあってアクの強いベテランが多い。
そうでなくては通用しないというのもあるのだろう。
それゆえ多くが夜勤を敬遠する。
倦厭といおうか。
状況が緊迫する場面が多いので、どなり合いが当たり前ですから。
さてさて、
夜勤の道路工事に慣れたケービの猛者どもにまじって、どこまでできたのか。このおっさん。
無線が聞きとりにくくて、多少戸惑ったときがあったな。
こちらがおっさんであることに遠慮せずに、いろいろ言ってくれるとかえってありがたいのだが。
気がつけば『君』づけでなく、ことごとくが『さん』づけであたしを呼ぶことになっている。
これもひとつの壁ではある。
して今夜も夜勤である。
勝手がわからなかった昨晩よりは、ちょっとだけ力になってやれるはず。
☾☀闇生☆☽