オンディ・ティモナー監督作『DIG!』DVDにて
60年代ロックの影響を濃厚に押し出した二つのマイナー・バンド『ブライアン・ジョーンズタウン・マサカー』と『ザ・ダンディ・ウォーホルズ』を追ったドキュメント。
前者は才気あふれるカリスマ的リーダー、アントン・ニューコムが独裁するワンマンバンド。
作編曲のほとんどを一人でこなし、レコーディングも自ら手掛けるアントンは、自他ともに認める天才肌で、当人はその才能におぼれている。
レコード会社の商業主義に背を向け、酒とドラッグに浸りながらライヴはいつも喧嘩沙汰となる癇癪持ちでもある。
そのすさんだ素行がバンドメンバーや周囲との軋轢となり、メジャーデビューへのチャンスを逃し続ける不運な人生。
後者もまた、酒やドラッグとは切り離せない関係で、前者バンドとの関係は、互いに才能を認め合うビートルズとストーンズのような兄弟といえた。
しかしダンディ・ウォーホルズの方はメンバー間の目立ったケンカもなく、順調にデビューし、ツアーを成功させていくことに。
オリジナルや独創性を追いながら、その生き方は典型的な破滅型ロック・スターの模倣にすぎないという矛盾もまた、アントンの苦しみのひとつなのか、どうか。
かかわるすべての人が彼の音楽的才能は認める。
んが、仕事で組むのはうんざりと。
もう一人のダニエル・ジョンストンともいえるなのかもしれないな。
☾☀闇生★☽