ケーピの勤務中。
目黒。
人ごみに、でかい顔がひとつ飛びぬけているのが目について。
それがぱっと見では男なのか女なのか判別できず、
どこか松田優作の長男ぽくもあり。
片桐はいりっぽくもあって。
なおかつ妙な雰囲気を醸して、
なんかデカイ荷物をかかえていたので、それとなく注意していると。
もう中学生だった。
こちらが気付いた、
ということに気付いているようだったが、
そのまま目の前を通り過ぎ。
こちらは後ろ姿を見送ったわけなのだが、
キャンバスのようなばかデカイ画材を抱えているので、
いわずもがなお仕事の「資材」なのだろうことが、ばればれである。
数時間後。
同じ交差点を、強烈にヘビ顔してる女が横断してくる。
つかれてるのか、
怒っているのか、
悩んでいるのか、
喪服のように黒いいでたちで、
ともかく、有無も言わさぬヘビ顔度だ。
りょう、だった。
☾☀闇生☆☽
追記。
映画版『クワイエットルームへようこそ』では、ちょい役ながらも、そのヘビ加減をご本人が自覚的にかましてくださっている。
それを求めた監督松尾に拍手。
あんがと。
&
蒼井優に嫌な女の役をさせたのにも、拍手。
これはもう、拍手。
みんなでそうやって可能性を広げなきゃだめだめよ。
使い捨てになっちゃうよ。
あくまで映画あっての俳優だ。
映画に服従しなさいということだ。
ひとつのイメージだけで使い切るなんて、エコじゃない。
あらゆる可能性で使いまわせというのだ。映画の神。
何の役でもスの自分に擦り合わせてばかりいるのも、それは演技ではないし。
俳優に、唯我独尊の天動説を垣間見ることほど、つまらないものはない。
実写版ヤマトの違和感とは、つまりはそういうことだしょ?
不遜である。
服従せよ。
作品に、ではない。
映画に、ね。