伊丹十三の『タンポポ』を観なおす。
有名なオムライスのシーンはノッポさんのマイムあってこそであると再確認。
あの圧倒的な豪華キャストのなかではつい埋もれてしまいがちだが、適材適所とはこういうことをいうのだろう。もともとノッポさんありきで書かれたシーンにすら感じてしまう。
それとマフィアっぽい役所がくりひろげる情婦とのエロチックでグルメなまぐわい。
これと海女との牡蠣のシーンに流れるのがマーラーの5番であったと今更ながらに知る。
初めて観たころはそんなことすら知らなかった。
使い方としては岩井俊二の『フライドドラゴンフィッシュ』の方が臭く、強い。
岩井のが足し算なら、伊丹のは映像との掛け算である。
やっぱり井川さんの暑苦しさが輝く最期のチャーハンだな。
あたしの記憶のなかでは、あの女房はまきれもなく戸川純だった。
☾☀闇生☆☽