壁の言の葉

unlucky hero your key

ある休日。

王欣太/蒼天航路



 寒いぞ。


 王欣太(KING☆GONTA)が三国志を描いた漫画『蒼天航路』。
 こいつを、数日読み返している。
 なんど読んでも十巻目で泣いてしまうのだ。


 美女鄒氏(すうし)との淫欲に溺れる曹操
 その閨室をめがけてクーデターを起こす帳繍(ちょうしゅう)。
 及びそのブレイン、カク。
 武威無双の典韋(てんい)が、毒をもられながらもこれを捨て身で守り。
 曹操の長男、子修(ししゅう)が馬をもって駆け付けるが…、といった序盤最大のクライマックスだ。


 プレステの『RIVEN』は、順調に進んでいる。
 五枚あるディスクの頻繁な入れ替えさえおっくうがらねば、どんどんいける。
 仕掛けを解いた分だけ行けるところが増え、ご褒美とばかりに見える景色がどんどんひろがる。
 そこが気持ちいい。
 建物にしろ、
 小物にしろ、
 その意匠にどくとくの文明が匂っていて。
 むろんゲームですから、
 なんであっちのドアを開けるスイッチが、こんなに遠くにあんねん。
 そんなツッコミどこはあります。
 そりゃあ、あります。
 けど、
 画力でもって、それを言わせないんだ。
 んにゃ、言いたくないんだ。


 今日は久々に人影を見た。
 赤い祭殿のなかから出てきたら、子供がひとり。
 貧しそうだ。
 こっちに気づいて逃げやがった。
 コケてもたもたして、可愛いじゃないの。
 こんど会ったら抱きしめたろ。
 ちゅーしたろ。
 それと女(?)が牢に閉じ込められておったわい。
 んが、
 扉の仕掛けを解いて中に入ると、もぬけの殻。
 隠し扉をみつけて洞窟を海まで追ってみたが、消えている。
 はて。
 ゲームのなかでも、嫌われもんである。


 本だって読んださ。
 ガルシア・マルケスの短編集『エレンディラ』。
 いま、ラストの中編を残すのみ。
 いやぁ、おもしろいなぁ。
 小説の醍醐味を再確認させてくれるんだ。ガルちゃんたら。
 ライトノベルでは、こうはいかん。
 意識して音読してみた。 

 
 それと、長年書き続けている小説を、今週もすすめた。
 けど、
 規定を考えずにやっているから、完成したところで、なんなんだと。
 読んでくれ、と言われてよく他人の作品を読ませてもらう。
 んで、
 えらそーに感想文も書く。
 なのに、
 お返しとばかりに自作を預けても、読んでもらえないんだな、これが。
 なしのつぶてだ。
 それでも書かずにはおれんのだと。


 どうだ。
 充実した休日だろが。
 けど、
 雨にかまけてウォーキングをサボったのさ。
 だから意識的にそうしたっていうわけなのさ。
 えへん。
 今日もきっちり、空しいぞ。
 


 
 夜が明ける。




 ☾☀闇生☆☽