本日付けの産経新聞によると、
 例のNHKスペシャル『シリーズ・JAPAN』の歪曲放送。
 番組に出演した台湾人などが発言を歪曲されたとして集団訴訟を起こしているあの問題。
 このたび原告数がついに一万人を超えたというのだ。
 番組に出演した台湾南部のパイワン人らもあらたに訴訟に加わって、歪曲の実態を述べたとあるのだが、これがひどいんだ。
 番組は1910年に開催された日英博覧会の写真を紹介し、そこへ、


『人間動物園』


 と。そんなテロップを重ねた。
 そして「英・仏は博覧会などで植民地の人々を盛んに見世物にしていました…云々」とナレーションが付けられたという。
 ところが、出演したパイワン人が言うには、見せられた写真を見て懐かしいと涙ながらに応じただけ。博覧会への参加を誇りにしてきたのに、番組に『人間動物園』と貶められたとのこと。
 元記事→http://sankei.jp.msn.com/entertainments/media/090812/med0908121417000-n1.htm 
 貴重な親日派をわざわざ敵にまわしてまで、番組はいったい何を目指すのか。 
 それにしてもこの問題、マスコミはどれほど取り上げているのだろう。
 一万人だぞ。
 少なくとも黙殺はいかんだろうに。


 同紙、同日のコラム『断層』。
 評論家の宮崎哲弥がそこで「米士官学校の教科書の『原爆批判』」と題してこんなことをのべている。
 以下に要約するが、
 米陸・海軍士官学校で使われている教科書に『正しい戦争と不正な戦争』というのがある。
 著者はマイケル・ウォルツァー
 戦争倫理学の最高権威である。
 彼はそのなかでポツダム宣言を批判し、ドイツと条件の異なる日本には無条件降伏を求めるべきではなかったとしている。して、日本の軍部が遂行していたのは(当時の)一般的な軍事拡張であって、これに対して完膚なきまでの、とどのつまりが一般市民を無差別に大量虐殺した原爆ふたつは、まったくの不当であったと。
 旧戦勝国側の、
 つまり原爆を投下した側の軍事学の権威がそうまで明言しているのだから、これこそは反核団体がとりあげるべきではないのか。
 ところが現状は黙殺に等しい扱いである。
 なぜか。
 ウォルツァーが、国内統治体制にまで戦勝国が口を挟むのは行き過ぎだと批判しているからで。それはとりもなおさず戦争放棄を定めた憲法の押 し付けへの批判だからだ。
 元記事→すまん。検索してみつからん。なぜよ。
     紙版の十二日付け産経新聞でめっけたのよ。


 てことは反核と、九条。
 ふたつをてんびんにかけて後者をとったということになるのか。




 終戦記念日が目前にせまっているからだろう。
 テレビでは先の大戦をあつかったドキュメント番組が目立ちますな。
 んが、
 大半が結論ありきでまとめようとしているのが見え見えで、げんなりしてしまうのだ。あたしなんかは。
 して、
 そんな結論ありきで無理に落とし込もうとするから、上のようなすれ違いが起こるのではないかと思われ。
 とりわけ軍部批判やら告発はさんざん聞かされるのだが、これも似たようなもので。
 観ながらあたしゃいつも疑問を抱いちゃうのだよ。
 悲劇だし、
 大変な時代でもあったろう。
 立派な軍人もいただろうし、
 駄目なのだっていたはずだ。
 けれど、じゃあ他にどうしたらよかったというのだと。
 戦争を避けて祖国を平和的に明け渡してしまったアジアの国々の、その後の辛酸を鑑みたあの状況で、他にどういう選択が、そして手段があったのかと。
 もし総力戦を避けていたとしたら、はたしてあんなにゆるい統治で済んだのかどうか。
 番組でそのあたりまで掘り下げてくれると興味深いのだがなあ。
 だってさあ、いっつも味方の悪口だけで終わっちゃうからさー。


 『パンドラの鐘』で天皇を批判した野田秀樹でさえも、敵側の悪意について書き忘れたとして『オイル』を上演したのだ。もうちょっとは成長してくんないと、テレビ離れはますます進むばかりかと。








 ☾☀闇生☆☽


 文中、敬称略。